導入事例インタビュー【アールエヌティーホテルズ様】

J.D.パワー7年連続CS No.1の「リッチモンドホテル」を運営する、アールエヌティーホテルズ株式会社様で実施した、「次世代経営者層育成プラン」を振り返り、ご担当者の皆さまからお話をうかがいます。【聞き手:奥野 幸治、ラーニング・マスターズ株式会社】

アールエヌティーホテルズ株式会社
(左から)
取締役 営業本部長 福村正道様
企画部 教育企画課 課長 岡本直子様
東日本営業部 部長 平尾隆志様

インタビュー日:2018年3月6日
場所:リッチモンドホテル プレミア浅草にて

※ 福村様は2018年3月29日付で 代表取締役社長に就任されました

育成プランの研修企画に至った背景をお話しいただけますでしょうか。

平尾様:当社にはもともと、管理職以上の階層別研修が整備されていませんでした。2013年5月に教育企画の組織ができ、キャリアプランを整備。それに伴い、階層別研修を企画し始めました。

教育企画組織化後、1年間は多種多様なセミナーに出て勉強しました。それを会社が許してくれたので、十分な準備時間を確保できました。当初、スタッフの研修は、岡本さんが担っている「リッチモンドアカデミー」で行い、社員については研修体系がありませんでしたので、チーフ、支配人のクラスに、コーチング研修とマネジメントの基礎・応用研修を取り入れました。

その過程で、当時4名いた営業部長全員が2年後に定年が控えていたので、次世代の営業部長を育成することが急務であることが見えました。当時の部長が50代で、その下が30代後半と、年齢層が離れていたので、「私が育成プランを考えます」と社長に宣言したのです。そのときに、アカデミーでお世話になっていたラーニング・マスターズの奥野さんから、「何か手伝うことはありませんか?」と聞かれたので、相談しました。

当時、解決が必要な「課題」は何でしたか?

平尾様:営業部長は、支配人から上がっていきます。支配人は現場密着で状態をつぶさに見ることができます。ところが、営業部長になると、数値結果だけ見てその状態を推測し、判断できる必要があるのです。これを鍛えたいと思いました。

彼らにしても自分の現場を離れていながら他の店舗の状況をどう見れば良いか、そのあたりのスキルを高めたかったようです。普段、数字を見ているのですが、それは損益計算書であり、貸借対照表については実際よく分かっていません。その点をきちんと経営視点で理解し、日々の動きと結びつけてほしかったのです。そのためには、財務と対人マネジメントの融合が必要でした。

研修の依頼先を選定されたときの基準をお聞かせいただけますか?

平尾様:実は当時は、ラーニング・マスターズさん以外に付き合いがあった会社がありました。各社とも、「ヒト」の部分の研修は得意としています。ところが、今回の課題を解決するためには、「カネ」と「ヒト」との実務上の関係について、どれだけ分かりやすい学習の場を提供してくれるかという点が重要でした。よって、依頼先の選定では、その点が決め手となりました。実際、いただいた提案内容には違和感がなかったし、「ヒト」「モノ」「カネ」の統合マネジメントという点が、こちらの意図どおりでした。

福村様:私は、それまでラーニング・マスターズさんにお願いしていたアカデミーの「インストラクター研修」を見ていまして、当社のことをよく分かって対応してくれている姿勢が伝わり、信頼感がありました。

ラーニング・マスターズが担当した「ヒト」に関する研修について、率直な評価をお願いします。

平尾様:研修実施前の多面調査(診断ツール)「管理者行動診断」がとても効果的でした。他者評価が大きな気づきになったようです。おおむね皆、自分はできている、自信がある、といった要素の調査だったのですが、予想を下回る結果を見て、スイッチが入りました。

また、マネジメントに関しては、コーチングや基礎的なことは学習していましたが、ラーニング・マスターズの研修「部下の生産性と充実感を高めるマネジメントスキル向上」では、組織のまとめ方を6つのポイントに分けて学ぶことができたので、皆、日々のマネジメント行動が頭の中で整理しながらできるようになったのが大きいと思います。受講者からもそのような声が出ていました。

――(奥野)6つのポイントのひとつである「フィードバック」のところではロールプレイを行いますが、今回、ロールプレイ・ケース設定を平尾部長に作成いただき、また、ロールプレイの相手役(部下役)を、社内アカデミーのチーフインストラクターである岡本さんに演じていただきました。

そのため、非常にリアリティのある場面設定となり、有効なロールプレイができました。これはラーニング・マスターズに任せていただくだけではできなかった取り組みであり、アールエヌティーホテルズ株式会社様と一緒になって作り上げることで実現しました。ちなみにこのときの様子を撮ったビデオは、チーフインストラクターの研修で、岡本さんが活用されています(笑)。

TIM Consultingの吉田社長が担当した「モノ」「カネ」に関する研修についてはいかがでしょうか。

福村様:そもそも、うちの人たちは数字に弱いのです。財務という言葉だけで拒絶反応を起こす人が大半です。経営数値を体系的に学ぶ機会も少ない中で、いかに分かりやすく、実務に即して理解させてくれるかという点が今回の研修では重要でした。

TIMの吉田講師は、そこを見事に実現してくれたと思います。特に、成果発表時のコメントで、「数字の使い方を誤ると、鋭利な刃物のように危険なので気をつけるように」というコメントにはさすが、と思いました。

ただ、もっと厳しくしてもらっても良いと思っています。社内では、数字は鋭利な刃物になるとは言え数値は数値であるので、間違いやレベルの低さは、その事実を突きつけていただいて良いと思います。外部教育だからこそ、それが成り立つので。

今回、研修ごとに社長はじめ、取締役や各部長など、本部の偉い方々が大挙してオブザーブにいらっしゃいました。その意図はどんなものでしたか?

――(奥野)せっかく現場の方々が一同に集まり、学習しているのだから、その姿をしっかり見届けたい、ということがおもな理由とはお聞きしました。もちろん研修を企画通り進めてくれているか、講師のチェックも入れるとのことでしたが・・・(笑)。

岡本様:社長は、ただみんなに会いたいだけかも知れません。(笑)

平尾様:福村さんは恐らく、費用対効果を見ているのではないでしょうか?

福村様:過去、親会社在席時に経営研修を受けた時、トップが研修のたびに来るのですが、挨拶だけして帰るんです。また、最後に来て、一言言います。どういう研修だったのか、プロセスを見ていないのに…です。私は、やはりプロセス、つまり、受講者が、どんな問いかけにどう答えているか、何を話しているか、学んでいるかということをしっかり見届けたいですね。そのうえで、ポイントを外さずにコメントしたい。それを心がけています。

ただ、今回、オブザーブが参加者のやる気を引き出したかといえば、それは分かりません。経営陣がいてもいなくても、自由に発言する人はいます。が、忖度してしまう人もいます。これは仕方ないことです。それよりも、今回みんなのやる気を良い意味で刺激したことは、横並びの10名(のちに9名へ)が、互いに包み隠さず情報共有し、切磋琢磨したところが一番かと思います。

福村さんには、成果発表会で全員にコメントをしていただきましたが、コメントをするときに気をつけているポイントなどはありますか?

――(奥野)福村さんのコメントは受講者のレベルに合わせながらも、すべて鋭い視点でストレッチすべきポイントを的確に指摘されていましたが、そのうえで成長を促すモチベートができるという印象を持ちました。

福村様:自分は褒めて伸ばすタイプではないので、褒めるのが苦手です。改善すべき点については、ポイントをはずさないように気をつけています。ただ、ベースには、今回の対象者に対するリスペクトがあります。40人弱の候補者の中の選抜された10名なのですから。だかこそ、本気で研修に向き会ってほしいし、成長してほしいです。次はあなたたちが会社を背負っていくのだから、という思いです。また、彼らはそれに答えられる能力があると考えています。

2年間にわたりお手伝いしていく中で、御社の会社風土がとても良いことに気がつきました。何が良い風土作りにつながっていると思われますか?

平尾様:会社の設立理念(創業社長:前原和洋氏)が、人を大切に・お客さまの前に従業員を大切にする会社、というもので、現在も脈々とその理念が息づいているのです。

岡本様:社員同士の仲も良く、年齢経験に関わらずお互いをリスペクトしています。現場のアルバイトが一生懸命責任感をもってやっている姿を目にすれば、それは自然なことだと思います。また上司に言いたいことを言える雰囲気もあります。管理者の度量が深いのです。

福村様:人を大切にする、という風土を体現するためにも、キャリアプランを考え、人が育つ組織作りに注力してきました。現成田社長も常日頃、「当社はグループ内で一番人財育成にお金をかけている」ということを言っています。

研修での学びを実践していくために導入した、ウェブシステムのフォローアップツール「Habi*do!」については、どうお感じになっていますか?

――(奥野)1回目としてまずは7ヵ月間使っていただき、統括フォロー研修終了後にも7ヵ月間使っていただきましたが。

平尾様:1回目の7ヵ月間はとても盛り上がり、横のつながりが強化されました。特に、取り組み内容がヒトに関する課題についてだったため、日々気をつけるべきことを「Habi*do!」で振り返るリズムが良かったと思います。

しかし、2回目は数値の目標で実施したのですが、各自追いかける指標が別々だったのと、その指標自体があいまいだったため、あまり有効に機能しませんでした。何のためにやっているのか、目的がはっきりしなかったようです。財務研修で各自がKPIを設定したとき、ちょっと無理があるな、とは思っていましたので、その時点で指摘すれば良かったと思います。

その経験から言えるのは、目的をはっきりさせて、日々取り組むことができる目標を設定することが大切であると感じました。

2回の「成果発表会」については、どうお感じになっていますか?

平尾様:1年目の発表会は、「ヒト」「モノ」「カネ」の統合を実務で活かす、という取り組みに関する発表でしたが、前述のように、自分たちで設定した目標値(KPI)が、高いハードルだったようです。そのため、日々追いかけ、意識することが難しく、結果的にヒトの部分の取り組みが多くなりました。

この結果を受けて、参加者全員で反省会(このときは講師と受講者だけで経営陣は席をはずしました)を行い、取り組みの甘さを反省する声が多く上挙がりました。また、発表へのフィードバックコメントをかなり厳しくしていただいたことで、研修モードから本気モードに変換したようです。

岡本様:2年目の研修で、「ヒト」「モノ」「カネ」の統合マネジメントについて、2日間かけて吉田講師と奥野講師の2人体制で研修を実施してもらい、きちんと相互の領域を見てくれた点が良かったです。

平尾様:取り組む指標も全員で合意し、共通の目標で日常取り組んだことで、焦点も定まりました。

岡本様:さらには、いきなり成果発表会を行うのではなく、プレ発表会で両講師からのチェックを入れることで、自分たちの取り組みの方向性をチェック、修正できた点も良かったです。

平尾様:最後の発表ではプレ発表会でのチェックポイントをふまえ、全員が自分の限界にチャレンジし、やりきった充実感を共有することができました。また実際の成果もあがりました。

「パーソナリティ診断(Facet5)」をご採用いただきましたいが、いかがだったでしょうか?

岡本様:「Facet5」はすばらしい効果がありました。パーソナリティについての知識が深まり、統括支配人と配下の支配人やフロントチーフまでの部下の間で、相互理解やコミュニケーションが円滑になり、よく機能しています。飲み会の席でも「Facet5」のファミリータイプ(17タイプ)の話が出てくるなど、浸透していることが実感できます。これは今後も継続して定着させます。

研修は、ラーニング・マスターズの奥野とTIM Consultingの吉田社長の2人で担当しましたが、講師に対しては、どのようにお感じになっていますか?

岡本様:研修内容だけでなく、受講者の個性をきちんと把握してきめ細かに対応していただけた点が非常によかったです。また、「ヒト」のマネジメントは奥野講師、「カネ」は吉田講師という形でしたが、お互いうまく連携できていた点がすばらしいと感じました。

――(奥野)ありがとうございます。吉田氏はラーニング・マスターズの領域もある程度分かり、私も財務領域をある程度分かっているので、ぶつ切りではなく「のりしろ」がきちんとカバーされたところでの連携ができたかと思います。

 最後に、今後の展望について、お聞かせください。

福村様:今回の2年間のプロジェクトは、候補者の中から3人の昇格者を輩出したことで一旦終了となりますが、次世代を育成することは永遠の課題ですので、引き続きキャリアプランに応じた階層別教育をきちんと機能させていきたいと考えています。

平尾様:それと、「育成」とは別となりますが、多様な働き方ができるしくみも整えていきたいです。たとえば、結婚しても、子供ができても、無理なく現場で活躍できるような制度を整えていきたいです。

――(奥野)本日はありがとうございました。

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