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自分なりのマネジメントを見つけて
職場で活用できるマネジャー研修

    事例の概要

    企業概要

    業種 製造業
    会社規模 従業員数10,000名~(グループ)

    プランの概要

    受講対象者 マネジャー
    人数 1クラス約15名
    期間 約10ヵ月間

    導入の背景

    顧客満足度(CS)の改善には、まず従業員満足度(ES)の向上が必要で、そのためにマネジャーの意識変革が求められていた。スキルや知識を身につける従来の集合型研修ではなく、マネジャーがES向上につながる現場実践や行動変容を起こす教育を目指して、プログラム開発を行った。

    抱えていた課題

    • 通常のマネジメント研修を実施しても、ただ知識を学ぶだけになってしまう。研修で学んだことと、自分の指導をつなげて考えることができず、職場で活用されない。
    • マネジャーが自分や部下のことを考えながら関わる時間を確保できない。

    実施内容

    【図1】マネジャー研修プラン全体像【図1】マネジャー研修プラン全体像
    (画像クリックで拡大)

    事前課題

    組織からマネジャーとしてどのような期待を受けているのか、また、一連の研修の目的をマネジャーの上司から説明します。その際、上司用ガイドを準備することで、研修に参加するマネジャーが持つ情報や、受ける期待にばらつきが出ないようにします。

    マネジャーとしての現状を知るために、事前にクロスインタビューを行います。また、診断ツール「管理者行動診断」を受検してもらい、研修当日にフィードバックを行います。

    クロスインタビュー

    研修に参加するマネジャーAが、同じく参加者であるマネジャーBの職場へ行き、Bと、Bの部下・メンバーへインタビューを行う。同様に、BがAの職場へ行き、Aと、Aの部下・メンバーへインタビューを行う。

    • 研修の目的と、期待されていることの理解
    • クロスインタビュー
    • 管理者行動診断

    研修1 自己理解とビジョンの共有1

    事前課題で他のマネジャーやその部下へのインタビューで気づいたこと、研修の場で考えたことを整理し、マネジャーとしてのビジョンをメンバーに伝える準備を通して、マネジャー自身が自己理解を深め、マネジメントや仕事との向き合い方を考えます。

    中間課題1

    職場に戻り、各自の価値観を知るワーク「価値観カード」で部下・メンバーを知り、マネジャーとしてのビジョンを職場の部下・メンバーへ伝えます。

    研修2 チームの理解とビジョンの共有2

    研修1で設定したビジョンにたどり着くために、マネジャーとして部下・メンバーにどのように関わるかをあらためて考えます。

    中間課題2

    職場にて、研修2で設定した行動を実践します。

    研修3 振り返りと実践計画

    中間課題2で実践した活動を振り返り、具体的なマネジメントスキルも学んだうえで、自身の行動計画を整理します。

    中間課題3

    職場にて、研修3で設定した行動を実践しながら、最終発表の準備を進めます。また、管理者行動診断を再度受検してもらい、研修当日にフィードバックを行います。

    研修4 最終発表

    研修前・研修中・現在の変化や気づいたこと、発見や結果をまとめ、発表を行います。

    効果と反応

    実施の効果

    行動計画と実践を繰り返すことで、マネジャーとして、自分が置かれた状況に応じて何をするべきかを具体的に理解できるようになり、マネジメントについて自分の言葉で話すことができるようになった。

    受講者の声

    部下・メンバーと接し、実践を通して見つけた自分なりのマネジャーとしてのポイントを、今後も大事にしていきたい。

    研修2で実践する行動を決めても、日々の忙しさを理由にやりきれないものが多くあった。研修3でその振り返りをしたうえで、あらためて行動を明確にして取り組むことで、聞こえの良い言葉ではなく、行動としては小さくても「自分が何をするかを決めて、実行する」ことを実践できて、前へ進める実感を得た。

    研修3までに自分なりに考え、体験したので、マネジメントスキルのパートで腑に落ちる部分が多かった。

    部下・メンバーの価値観を知る課題を実践する際に、普段の業務以外についても話し込んだ。1時間程度を予定していたが、話すうちに予定時間以上になり、それぞれの大事にしたい価値観やその意図など深い話ができた。

    同じメンバーで複数回の研修があるので、普段の業務では出会うことがない人と横のつながりができた。

    研修担当者の声

    • 答えを教えるのではなく「見つける」を目指して場を作っているので、手間や時間はかかるものの、単発の研修では得られないような、実感を伴った「自分なりのマネジャーとしての重要と思うこと」を受講者が発見できる。
    • 研修の参加人数は限りがあるが、トリムタブの法則のように、参加者から組織全体へ影響が広がると考えている。

    ラーニング・マスターズからのコメント

    パフォーマンス・コンサルティングに基づき、問題と課題の明確化を行い、事業と組織のニーズである「顧客満足度・従業員満足度の向上」から、人のニーズ「マネジメント力の強化」が見えてきました。解決策のデザインでは、研修対象者であるマネジャーが自ら考えながら、マネジメントの本質に気づき、理解できるように研修を設計しています。シリーズ研修として、実践を振り返り次の行動計画を立てるサイクルを作ることで、学習効果を高めました。

    シリーズ研修のサイクル

    1. 行動計画に基づく事後課題を職場で実践する
    2. 研修で実践を振り返る
    3. 次の行動計画を立てる

    今回のケースでは、社内講師を養成して実施しています。講師の養成だけでなく、ニーズの把握から解決策のデザイン、課題の解決と効果検証まで、当社とお客さまと双方向のやりとりを重ねながら、チームとなって作り上げた学習プランです。

    すべての学びをデザインする「ラーニング・デザイン・ファーム」

    【図2】「ラーニング・デザイン・ファーム」の3つのポイント【図2】「ラーニング・デザイン・ファーム」3つのポイント
    (画像クリックで拡大)

    問題と課題の明確化、解決策のデザイン、課題の解決と効果検証は、「ラーニング・デザイン・ファーム」モデルで行っています。

    使用した教育研修プログラム

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