企業教育が目指す「一人前」を見直す
認識の一致が難しい言葉の意味
2025年も残りわずかとなり、来年以降の計画を立て、企画を考える時期かと思います。自社の課題は何か、そのために何をすべきかを考える際に、実は注意すべきことがあります。
例えば…
- マネジメント
- コーチング
- 1on1
- コミュニケーション
- 論理的に考える
- 心理的安全性
- OJT
これらの言葉は、人材開発や教育研修分野で当たり前のように使われています。しかし、何を意味しており、どのような行動が求められ、何を目指すものなのか? そう考えたときに、実は組織内でも答えの一致が難しい言葉でもあります。
メンバーそれぞれが、言葉の理解や認識が曖昧なまま使っていたり、あるいは抽象度が高いために、さまざまな側面があったりと、要因は多岐に渡ります。こうした言葉の真意を確認せずに使うことで、互いの認識がずれ、明確さを欠き、組織の動きが鈍ったり、課題の解決が遠のいたりする場合があります。
「育成」の意味とは
では、専門的な言葉ではなく、「育つ」「育てる」という一般的な言葉の意味を見ます。初心に返って、私の子どもが使う小学館の国語辞典を確認しましょう。
【育つ】
- 生物が大きくなる。成長する。
- 能力などを身につけて、一人前になる。また能力などがよい方向にのびる。
【育てる】
- 子どもをやしなって大きくする。
- 動物や植物の世話をして大きくする。
- はたらきをのばさせる。一人前になるように教える。しこむ。
[例解学習国語辞典 第十一版]金田一京助 編 小学館
企業教育関連での「育つ」「育てる」にあたる、【育つ】の2と【育てる】の3には、どちらも「一人前」という表現が出てきます。私たち企業教育に関わる者の目的は、教育を通して、対象者を「一人前」にしていくことと言えるかもしれません。
それでは、自社における「一人前」とは、どういう状態でしょうか。この問いにもきっと、個人ごとに違う答えがあり、また、組織や役職によっても大きな違いがあることに、あらためて気づくでしょう。
OJTで何をすべきか?
このように、「当たり前の言葉」の意味を明確にすることで、物事を掘り下げて考えることができ、課題がより明確に見えてくる可能性があります。
ここで、「OJT」を例に再点検してみます。
- OJTとは何をすること? 目的は何?
- 自社にとっての「一人前」とは?
- 何ができれば「一人前」と言える? そのために何をすべき?
- OJTリーダーはどのような役割を持つ? 実際に取るべき行動は?
OJT教育を考える際には、あらためてこれらを明確にしていく必要があります。皆さんの組織では明確になっているでしょうか。
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