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多様性の時代に考える「基準」と大事な土台

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多様性を認め合うために必要な心理的安全性

それぞれが持つ「基準」の難しさ

皆さんは職場で、ときに判断に困る言葉に遭遇することはないでしょうか。

職場で判断に困る言葉の例

  • 「今日の打ち上げは無礼講で、はめを外しましょう」
  • 「この会議では、思っていることは何でも遠慮なく言ってほしい」
  • 「どんなアイデアでもいいから、まず出してみよう」

「それって、本当にどんなことを言っても大丈夫なの?」と不安になって、誰かが行動を起こすまで、なんとなく様子見になったりします。

人はそれぞれ、基準を持っています。「無礼講」や「遠慮なく」とはどんな前提で言っているのか、どの程度まで許容されるのか…。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉もあります。発言者の基準を外れたり踏み越えたりすれば、気分を害する可能性も考えるでしょう。しかし、基準を探るのは非常に困難です。

認識の共有に欠かせない心理的安全性

また別の場面を想定します。上司が部下に「その案件は、自分で自由にやってみて」という指示を出したとします。これも、お互いの認識は一致しないはずです。

上司の指示「自分で自由にやってみて」の認識例

立場 認識の例
上司 実際にどう進めるかは自由にしていいけど、納期があるから、まず前例から枠組みを考えてもらって…。何にせよ、こまめな報告はほしいなあ。
部下 すべて自由にやっていいのか。よし、ここからは自分が好きなようにやろう。枠組みを考えるのに時間がかかりそうだから、納期をずらしてもらえるか、関係先に確認してみよう(報告などは頭になし)。

それぞれの認識そのものは、どちらが間違いというわけではありませんが、業務の場合は、こういった認識のすれ違いから、大変な誤算や失敗につながる可能性もあります。このような状況を解決するには、お互いの認識、考え方や捉え方を話し合い、共有していく必要があります。「いやいや、そうは言っても、普通はこうでしょう」と言いたくなる、その「普通」を聞いて、話して、確かめます。

ここで、大きなハードルがあります。あなたは自分の職場で、上司やメンバーにそれを聞けますか? 話せますか? このハードルに関わるのが、「心理的安全性」です。

多様性を許容し、見えにくかったさまざまな要素が顕在化してきた現在、コミュニケーションの量、質ともに早急な向上が求められています。その土台となる心理的安全性は、組織に不可欠です。皆さんの職場では、いかがでしょうか。

自分の気持ちや考えを率直に伝えることができる、または良くない出来事が起きたときも、すぐに相談や報告ができる、そういった組織になるためにどういったことに取り組めばいいのか。8月に開催する無料セミナーでは、組織やチームでの「心理的安全性」の実現のためのヒントを、実際の教育研修プログラムでお伝えする情報を交えて紹介します。ぜひご参加をお待ちしています。

林 健太郎

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