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診断調査に必要なサンプルサイズとその目的

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調査の目的からサンプルサイズを考える

必要なサンプルサイズを求める計算式

診断調査に関してよく受ける質問の1つは、「どれくらいの人数を調査すれば、会社全体の傾向がつかめるか?」というものです。

統計学では、必要なサンプルサイズを求める計算式がいくつかあります。ある式を用いた場合、従業員1万人の会社で、調査を行う際に必要となるサンプルサイズは、964名と算出されます。

この数字は、どんな場合にも適用できる人数ではありません。調査で明らかにしたいこと、目的は何か、どのような統計分析を行うかによって、サンプルサイズは変わります。年齢、部門、職種による違いを検討したいのであれば、比較したい条件別に、十分なサンプルサイズがとれるよう最初から考慮しておく必要があります。

調査の目的を考える

結果にどの程度の信頼度を確保するかによっても、サンプルサイズは変わってきます。信頼度とは、サンプルを用いることで生じる誤差の許容範囲が、どの程度信頼できるかの目安です。

例えば、信頼度95%とは、「100回中95回は、誤差が許容範囲内に収まる」ことを意味します。冒頭の例は、信頼度を95%と設定した場合のサンプルサイズです。信頼度を90%に下げると703名、99%に上げると1,560名となります。このように、信頼度の設定によっても、サンプルサイズが変わります。

ここで、冒頭の質問に戻ります。調査にあてる費用や時間、労力が限られている中で、いかに効率よく、信頼できる結果を得られるかを考えることは大切です。しかし、サンプルサイズのみに注力しすぎては、本来の調査の目的からずれてしまう恐れもあります。

調査の目的をまず明確にし、その目的を検証するためにどういうサンプルを抽出するか、そしてどういう切り口で分析するかといった調査デザインを組み立てる中で、適切なサンプルサイズが導かれます。

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