固定的イメージで短絡的に判断する「知覚」を避ける
ステレオタイプな認識を維持する「選択的知覚」
ステレオタイプ――もともとは、出来事や情報から、社会的集団に対して持つ固定的イメージのことを言いますが、集団以外でも、固定的イメージを持つことはよくあります。
身近な例で挙げると、「血液型がA型の人は几帳面である」「水をたくさん飲むと血液がサラサラになり、健康に良い」「たくさん汗をかけば風邪は早く治る」「酒を控えると肝臓ガンが防げる」「脳トレのように単純な計算問題を解くと脳が活性化する」など。
ステレオタイプを持つこと自体は、悪いことではないかもしれません。しかし、短絡的に信じてしまうことや、常に正しいと思ってしまうことには、問題を感じます。なぜなら、問題の本質が見えにくくなったり、変革を妨げることにつながる可能性があるからです。
人が、どのようにステレオタイプを維持したり、強化したりするのか。1つには、“選択的知覚”というメカニズムが関係していると言われています。選択的知覚とは、さまざまな情報の中から、信念や予期に一致するものだけに気づき、記憶し、解釈することを言います。
例えば、「朝の通勤時、寝ずに脳トレを行うようになってから、仕事がはかどる⇒やっぱり脳トレは脳を活性化させる」などです。この選択的知覚が、ときによって、問題の本質を見えづらくさせたり、変革を妨げることにつながったりしているのだと思います。
ちなみに、上に挙げた例は、すべて根拠がない(もしくは間違っている)例です。
情報の収集や評価など「多面的な考察」を高めるために
選択的知覚に、できるかぎりとらわれず判断するためには、どうしたらよいでしょうか。
1. 根拠を客観的に見定める
客観的に見定めるためには、“情報収集”と、その情報が正しいのかどうかの“評価”が必要です。
2. 環境や情報は常に変化しているという認識を持つ
過去の正解は、現在の正解とは限りません。既に知っている情報だけでなく、必要な情報は何かを考え、収集することが必要です。また、第三者の意見に耳を傾けることも大事です。
3. 物事を多面的にとらえて判断する
短絡的に判断せず、前述で得た情報を踏まえて、多面的に考察することが必要です。
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