組織の成功に欠かせない職場のコミュニケーション
ギャップが生まれる職場のコミュニケーション
メッセージアプリ、オンライン会議ツールなどの普及で、離れた場所にいても簡単にコミュニケーションを取れるようになりました。しかし、便利な反面、テキスト情報だけでは、ニュアンスや温度感が伝わりにくいのが実情です。限られた情報から意図を汲もうとして想像で補い、そうすることで、かえって不安になっていく場合もあります。
例えば、最近の新入社員や若手には、職場でテキストメッセージのやり取りをする中で、以下のような状況に不安を感じる人もいるようです。
- 文章が句点(。)で終わっている
- 絵文字が使われてない
- 返信がなく、リアクションだけで済ませる
慣れた形や望む反応と違っているせいで不安になったり、勝手に想像した非言語的な情報を捉えたりと、人がコミュニケーションから受け取り、考えることはさまざまです。使うツールがどれだけ発展しても、情報を受け取るのは私たちの思考であり、感情です。文字だけでは伝わらない情報は、どうしても生まれます。
では、直接顔を合わせてのコミュニケーションならば、完璧にこなせるでしょうか?
長期的かつ有効な信頼関係の構築を目指すには
職場で顔を合わせて話をする場面でも、多種多様な考えを持つ私たちにとって、対話は常に難敵として立ちはだかります。
プロジェクトを成功させたいという同じ気持ちでスタートしたはずなのに、自分の発言が本来の意図と違う意味で伝わっていたり、意見の相違や衝突により、対話をあきらめて沈黙を選択したり、ただの言い争いにシフトしていたり――プロジェクトを完遂し、一緒に成果をあげるはずのメンバーが、いつの間にか「敵」のようになっていることもあります。
上司のように立場が異なる相手との衝突となると特に、とりあえず謝罪してその場を収束させ、表面上だけの同意をするかもしれません。メンバー間であっても、正面からの衝突を避ける人は多いでしょう。
その場の対処で短期的な平和を保つことはできても、抜本的な解決にはなりません。実際には納得していないので、決定された方針に従わずに、独断でのプロジェクト遂行や、意欲の低下によるサボタージュなども発生しかねません。長期的かつ有効な信頼関係の構築は難しくなります。
自分と相手が望む結果を導く対話
他者との対話はとても困難ですが、仕事をするうえで避けることはできません。職場は特に、お互いが自分の意見を持ち、求める結果があるからこそ、どうしても譲れないと感じる場面が発生しやすい場所です。これは直接顔を合わせていても、オンラインやテキストメッセージでも、変わらないでしょう。
- 反対意見がある
- 重要な結果を伴う
- 強い感情にとらわれる
この3つの要素が含まれる重要な会話の場面は、その後の成り行きを決める岐路と考えることができます。意見の相違を対話に変え、常に互いの認識と状況を理解し、自分の意図を率直に共有できれば、有効な解決策を探し出す基盤を固められます。重要な会話をどう扱うかは、組織の成功に欠かせない要素です。
ラーニング・マスターズの研修プログラム「クルーシャル・カンバセーション」では、自分と相手が望む結果を導くために、対話をうまく扱うスキルを学びます。意見の相違による誤解や対立を解消し、感情的な衝突を避け、前向きな対話を促進する実践的なスキルです。
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田島 隼耶
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