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2回目訪問のアポイントが取れない2つの理由-初回訪問から考える新規開拓

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営業担当者が成果をあげる訪問計画と新規開拓 第1回

営業担当者が抱える課題にはさまざまなものがありますが、その1つに「見込み客の新規開拓が、思うように進まない」という課題があります。当社のセミナー参加者の声やアンケートから分析すると、初回訪問で、2回目(次回)面談のアポイントが取れないことが原因のようです。2回目のアポイントが取れなければ話は進展しませんから、結果として、新規開拓に結びつかないわけです。

では、新規開拓で2回目のアポイントをうまく取るには、どうすればいいでしょう。

目次

2回目訪問のアポイントが取れない2つの理由

お客さまは、初回面談には応じてくれたのですから、次回のアポイントが取れないということは、まず初回訪問の中身に問題があると考え、話題や話の進め方などを見直す必要があります。

よくある例は、話をうまく展開できずに、客先に否定的な印象を与え、次回訪問の話を切り出せなかったというもの。この場合は、仮にアポイントの話を切り出しても、お客さまから「ノー」と言われてしまう可能性が高いでしょう。そこまで悪くなくても、次回訪問につなげる「宿題」をもらうことや、客先が関心を持つ「話題」の提供ができず、その場でアポイントが取れなかったということも考えられます。

まとめると、初回の訪問時に、次につながるきっかけが作れなかったということになります。

理由1:2回目につながるきっかけが作れなかった

次に考えるのは、訪問前です。全体の訪問計画や、新規開拓プランをきちんと立てていないため、初回の訪問で2回目のアポイントを取る必要性を認識していなかった、つまり、「次回は3ヵ月くらい先でもいいだろう」といった曖昧な認識で初回訪問を行うケースです。

例えば、「3回目の訪問までで当社をよく知ってもらい、ニーズを把握し、その後、何らかの提案の段階に持っていく」といった計画を立てていれば、初回訪問で次回アポを取ることは、必然と言えるでしょう。

理由2:初回訪問で2回目のアポイントを取る意識がなかった

定期訪問につなげる3つのヒント

では、営業担当者が初回訪問で2回目のアポイントを取るために、どうすればいいでしょうか。課題解決のヒントは、次の3つです。

  • 1. お客さまの立場から考え、答えを準備しておく
  • 2. 2回目訪問につなげる努力をする
  • 3. 定期訪問計画づくり

1. お客さまの立場から考え、答えを準備しておく

初めて会うお客さまは、営業担当者に対して、さまざまな疑問を持っています。この「疑問」とは、期待や不安と言い換えられます。初回のアポイント取りの際に、営業担当者から聞いた話を踏まえて、「これはどうなんだろう」「こういうことを話してくれるとありがたいな」などと考え、聞きたいことを持って、初回面談を待ちます。

一方、営業担当者は、初回面談だからこれは必ず伝えようなどと考え、必要な資料を準備し、その日を迎えます。そして、準備した資料を使って、一生懸命に説明をします。

ここがポイントです。つまり、お客さまが聞きたいことが、営業担当者の口から語られるかどうかです。そして、営業担当者に否定的な印象を持ってしまう原因のひとつが、両者の“ずれ”――お客さまが聞きたいことと、実際に話したことの違いです。

必要なのは、訪問の前に、お客さまの立場で「疑問」を想像し、その答えを準備しておくことです。今まで取引をしたことがない会社からの訪問者に対して、お客さまはどんな疑問を持つでしょうか。商品やサービスのことだけでしょうか。会社のことだけでしょうか。いかに、お客さまの立場で考えられるかがポイントです。

そして、初回の訪問時には、その疑問を解消していく意識で、準備した話をしていきます。事前に考えていても、お客さまの聞きたいこととすべて合致することはほとんどありませんが、お客さまの立場で考えるよう強く意識することで、営業担当者の話はお客さまの期待に沿ったものに近づくでしょう。

2.  2回目訪問につなげる努力をする

通常、1回の訪問で商談がまとまることは、まずあり得ません。したがって、初回訪問の後半になったら、次回につながるように、どのように話を終えるかを必死になって考えることが必要です。

お客さまが興味や関心を持っていそうな話題を提供して、「次回詳しくお話をさせていただく」と言ったり、お客さまからの質問に対しても、ひとまず回答した後は「より詳しいことは次回に」と言ったりして、アポイントの話につなげます。

誤解がないように言えば、とにかく何らかの理由を作り、2回目訪問につなげる努力、会う努力をすることが大切です。会わなければ、リレーション構築はできません。

3. 定期訪問計画づくり

営業担当者には売上目標があります。限られた時間の中で目標を達成するには、定期訪問計画が不可欠です。これは、どのお客さまにいつ訪問したらよいかを、お客さまの特性を勘案しながら考えていくプロセスです。

新規開拓の場合は、顧客情報が十分に集まっていませんので、営業担当者の主体的な判断で、訪問の頻度(期に何回訪問など)を決めたり、何回の訪問でどこまで進展させるのかといった目標を設定することになります。

営業担当者が計画できる訪問は、定期訪問だけです。それ以外の訪問は、突発的なクレームへの対応や商談対応などになり、事前の計画が難しい種類の訪問です。この種の訪問は既存顧客への対応ですので、営業担当者も、多くの時間とエネルギーを注ぎます。

そうした対応をしていると、新規開拓が疎かになりがちです。気づいたら半年も新規先に訪問していない、といった事態もありえます。これを防ぐのが定期訪問計画と、その計画に沿った訪問活動です。新規開拓をしながら安定した成績を残すには、計画をきちんと立て、それをチェックしていくことが欠かせません。

そもそもなぜ新規開拓が必要なのか

最後に、そもそもなぜ新規開拓が必要なのかを付け加えておきます。

どんな企業でも、倒産や廃業、あるいは競合他社にとられるなど、現在持っているお客さまが減っていく傾向にあります。長い取引先でも、予想だにしない理由で突然取引関係がなくなる例は、決して少なくありません。顧客を増やす努力をしないかぎり、マーケットがどんどん減っていくのです。

そんな中で、営業担当者として目標を達成するには、お客さま1社あたりの取引(量・額)を増やすか、取引先の数を増やすかのどちらかです。おそらく、多くの営業担当者は「両方だ」と言うでしょう。

既存顧客の維持に比べ、数倍のエネルギーが必要と言われるのが新規開拓です。それを絶えず進めていく必要性を、あらためて認識してみてください。

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