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効果的な「振り返り」の方法

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丁寧な振り返り、できていますか?

4月が年度初めの企業では、10月より下期がスタートしました。下期スタートの時期によく耳にするのが、上司・部下間での中間面談実施の話です。
中間面談では、年度初めに上司・部下間で合意した目標の進捗確認、上期活動の振り返り、そして下期への改善が主目的としていることが多いです。また企業によっては、キャリアビジョンに踏み込んで話をする場合もあるようです。
この面談についてよく伺うのが、内容に対して十分な時間がとれない、という声です。上司にしてみると、一定の期間内に、部下全員と面談を完了する必要がありますから大変です。
その結果として、状況の聴き取りと今後どのように活動するかの確認だけで終わってしまう、という現状も耳に入ってきます。

行動をしたことに対して「丁寧に振り返り」をすることは重要なことです。これを否定する人は少ないと思われます。それにもかかわらず「丁寧な振り返り」があまり行われていないことには、時間の問題の背景に主に2つの理由が関係していると思われます。

1つめの理由は「振り返り」が重要とは言いながらも、振り返りがなぜ重要なのかが明確でないからです。なんとなく大事、という感覚だと、あえて時間をとる手間をもったいないと感じてしまいがちです。

そもそも「振り返り」の効果とは、その人が持っている「知識・やり方・スキル」などを「実際の体験や経験」に照らして考えて、状況に合わせてより良い行動をとれるよう学んでいくこと、と言えます。例えば、営業職であれば、実際の営業活動の中で起きたことをベースとして、なぜ受注できたのか、または、どうして失注したのかを振り返ることで、より自分の領域における成功の確率を高めることにつながるでしょう。

変化が激しい現在の状況を考えると、同じことのくり返しから抜け出して、変化に対応していくことが重要であるのは明らかではないでしょうか。だからこそ「振り返り」が重要なのです。

2つめの理由は、「振り返り」のやり方を具体的に学ぶ機会があまりない、という点です。

振り返りをする機会はあっても、学校や企業の教育において、振り返りのやり方を丁寧に教わったかと問われると、私自身はあまり記憶にありません。これについては、例えば、「内省」分野の専門家であるコルトハーヘン氏などが提唱するALACTモデルや、その他の経験学習のモデルが、振り返りを含めた学習の全体像を把握するための手助けになるかもしれません。
そして、振り返りを行ううえでのポイントとしては、次の3点があげられます。

● ポイントを見つける
漠然と振り返りをするのではなく、期間の中で転換点や好調な時期、逆に不調からの脱却などといったポイントに焦点を絞ることで、教訓や本質に近づける可能性があります。

● 事実を丁寧に思い出す
ポイントを見つけたらその時に起きたことを、ある程度時間をかけてしっかり思い出すことです。自分だけではなく、周囲のメンバーがどうだったかについて考えを巡らせることも効果的です。

● 他者と行う
振り返りにおいて今後の改善をしていくというときに、他者の目が入ることで、より選択肢の幅が広がる可能性があります。自分1人で考えると、どうしても新たな解決策を生み出す難易度が高いものです。他者の目線をシェアすることが有効です。

おろそかにしてしまいがちな振り返りですが、以上のようなポイントをおさえていただくことで、振り返りの質は向上します。さらに具体的な方法など、気になる場合はお気軽にお問い合わせください。

<参考>
教師教育学(F・コルトハーヘン著、学文社)

林 健太郎

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