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なぜ企業では「振り返り」をするのか

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「振り返り」は会社のためにあらず

未来をより良く過ごすための振り返り

4月始まりの企業では上半期が終了し、その振り返りが行われていると思います。ビジネスには関係がありませんが、私は「振り返り」と聞くと、まず歌の一節が思い浮かびます。

何かをもとめて 振り返っても
そこにはただ風が 吹いているだけ

はしだのりひことシューベルツ『風』、作詞:北山修、1969

実際、このように考えたことはないでしょうか。

「過去を振り返るよりも、未来のことを考える方が、意義があるのでは?」

取り返しのつかない過去を嘆いたり、不満に思うより、先のことを話し合う方が建設的です。それではなぜ、過去の振り返りをするのでしょう。

変わらない自分を学んで個人の成長を

振り返りによって、成功体験や失敗体験を思い出し、その状況や良かった点、そして改善点を明確にすることは、自分が繰り返してしまう「癖」を知ることにつながります。

癖を生み出す個人の性質は、大人になってからは、そう簡単には変わりません。生まれながらに持っている特性と、大人になるまで体験したことや、学んできたことなどが、それぞれの人の中で年月をかけて形成されたものだからです。

「変わらない」と表現するとネガティブなものに感じるかも知れませんが、変わらぬ自分がいるからこそ、振り返りに価値が生まれます。「変わらない自分」のまま自然に過ごしていると、同じような失敗を繰り返す可能性がありますが、振り返りをすることで、失敗を事前に察知して、自分にアラームを鳴らすことができるようになります。また、振り返りにより成功への道筋が明らかになるなど、次のチャンスではより早く成功を掴めるようになるでしょう。「変わらない自分」を自覚することが、行動の変化につながるのです。

振り返りとは、自分を題材にして、“自分のことを学ぶ機会”だと捉えてみてください。振り返ったときに見つけるのは、「答え」ではなく、「振り返っている自分自身」です。

振り返りの方法や重要なポイントは、以前のコラムで取り上げていますので、参考にしていただけると思います。さらに具体的な方法など、気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。

林 健太郎

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