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新入社員を辞めさせないストレス対処と、配属と教育

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新入社員を3年で辞めさせない配属と教育 第7回

前回は、新入社員がストレス状態になった際の行動を、闘争型と逃避型に分けて説明しましたが、今回は、その行動への対処方法を見ていきましょう。

まず、闘争型の兆候を示す新入社員に対しては、傾聴(相手の言うことに耳を傾ける)と共感(相手の感情に理解を示す)を繰り返すことにより、ストレスポイントを超える前の状況に戻すことが先決です。生産的な話し合いができる状況になったら、どのような問題を抱えているかを明確にして、解決策を話し合い、合意をとりつけます。

一方、逃避型の兆候を示す新入社員に対しては、まず、口を開きやすい雰囲気を作ることが大切です。そのためには、話す場所を事務所ではない場所にしたり、聞いたことは内密にするし、何を話しても大丈夫だと安心させたりすることが、傾聴や共感に入る前に必要です。

大手企業で、退職寸前に引き留めに成功した例があります。ある新入社員が退職を届け出た少し前に、同じ職場の先輩が退職しており、続いての退職は絶対に阻止したいとの思いから、その上司は必死に引き留めを行いました。今回はじっくり話を聞かなくてはと、部下の言うことに耳を傾けました。

その結果、部下の印象では、初めて上司と対話ができたと感じたそうです。また、上司が部下に何を期待していたかが初めて理解でき、退職を思いとどまったとのことです。上司からすると、日ごろから話をしていると思っていても、部下はそのように感じてはいないことが多いのです。この上司は、あらためてコミュニケーションの重要さに気づかされたようです。

これからの配属と教育

さて、これまで、人を育てるしくみと上司の関わり方を述べてきましたが、まとめとして、最初の配属先が、新入社員の人生を大きく左右すると言っても過言ではないことを、ここで強調したいと思います。

自分の存在が認知され、配属先で仕事を通して成長が実感できれば、人は簡単には退職しません。たしかに、長期的に見れば、キャリアパスなどのしくみが必要ですが、新入社員自身が、最初の配属先の仕事を好きになるかどうかで、早期退職の可能性が決まります。しかし、受け入れる職場の上司の能力差はいかんともしがたく、中には管理者失格と思われる上司もいます。

もし、状況が許せば、正式配属前に、最低1年間から2年間はモラトリアム期間として、さまざまな職場を経験させ、仕事の目的を意識させます。その後、管理者に、ドラフト会議の要領で新入社員を選択させるのも、1つの手かもしれません。入社後3年間は本社勤務として、現場には配属しないという企業もありますが、配属の仕方も見直す必要があるでしょう。

採用についても同様です。すでに、働く人の価値観は変化し、働く形態も変わってきています。それを考えると、いつまでも今と同じような採用で良いのかを、見直す時期なのだと思います。新入社員採用が、量の確保に重点が置かれるのであれば、大卒者にそれほどこだわる必要もないかもしれません。

昨今、モンスターペアレントの出現に頭を痛めている小中学校が多いようですが、企業においても、「うちの子どもに遅くまで何で残業させるのか」といった苦情を言う親が現れており、親が子どもに変わって配属に文句を言う時代がくるかもしれません。

一人前の大人に育てる教育が、家庭でも学校でも行われていない現在、社会人として一人前に育てる機能が、企業の最初の3年間に期待されています。そのためには、その3年間の”義務教育”を預かる、優秀な管理者を多数育成することが重要です。それこそが早期退職を防止する一番の近道となるでしょう。

優秀な管理者の育成については、いつかまたコラムで触れてみたいと思います。

住友 光男

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