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新入社員はいつ一人前になるのか - 行動とその目標

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「一人前の社員」とは

多くの企業が、第一四半期で新入社員の研修期間を終えます。6月は、新入社員がいよいよ、人事部管轄から現場への配属となる時期です。

どの業界でも、省人化やコストダウンが叫ばれており、昔よりも人手不足の中で日常の業務を行っています。それに加えて、新入社員の教育やフォローをするため、現場は大変な時期を迎えます。「新人が早いところ一人前になってくれたら、助かるんだけど…」。正直な気持ちは、こんなところでしょうか。

実際は、新人の早期戦力化どころか、3割の大卒新入社員が3年以内に会社を去ってしまうというデータがあります(参考:厚生労働省 新規学卒者の離職状況)。原因や理由はさまざまでしょうが、成長の実感が持てない、自分の目標がつかめない、そういったことから職場や仕事に対しての不安とストレスを感じてしまう場合も多くあるのではないかと思います。

ここで、あらためて考えてみてください。「一人前」とは、どんな状態を指していますか?

GTD®トレーナーが考える新入社員の成長目標

「新入社員が一人前になる」を具体的に表現すると、日常の業務で発生する案件や依頼に対しての適切な目標、つまり「ゴール」と、そこに向かう具体的な「行動」を、自分で見つけて、業務の遂行と最終的な目標達成ができる人材になるということではないか――とGTDトレーナーの私は考えます。

皆さんの職場では、どうでしょうか。新入社員は、今やるべき業務が具体的なレベルで、すなわち「行動」として認識できていますか? そして、その業務の目標、すなわち「ゴール」を認識できていますか?

「行動」だけでは、単なる業務処理マシンになってしまい、向かうべき目標も、その道筋も、見えないままです。「ゴール」だけでは、今やるべきことがわからず、身動きの取れない戸惑いや、到達すべき場所だけが見えている焦りで、頭がいっぱいになってしまいます。どちらも、仕事や職場への不安とストレスを増大させるでしょう。

新入社員は、常に「行動」と「ゴール」をセットで認識する癖を持つと良いでしょう。そのどちらかでも分からなければ、周囲への確認が必要です。そして上司や先輩は、新入社員に対して、常に「行動」と「ゴール」のセットが明確かを問いかけてください。この繰り返しで、新入社員は成長を実感しながら日常の業務をこなせるようになり、「一人前になる」という、まず初めに達成してもらいたい成長目標への道が見えるはずです。

まずは1つずつ、次の業務の指示から「行動」と「ゴール」のセットを意識して、始めてみてはいかがでしょうか。

林 健太郎

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