営業担当者が成果をあげる訪問計画と新規開拓 第2回
目次
- 2回目訪問のアポイントが取れない2つの理由-初回訪問から考える新規開拓
- 定期訪問計画の重要性とその立て方
- 偏り訪問を解消する訪問計画
- 定期訪問計画の重要性
- 定期訪問計画の立て方
- 営業担当者が成果をあげる3つのポイント
偏り訪問を解消する訪問計画
経済学者であるセオドア・レビットは、マーケティングとは「顧客を創造し、維持する活動である」と言っています。広義ではマーケティング活動の一部ととらえられる営業活動も、同様です。
お客さまは、絶えず変化しています。事業そのものをやめてしまうお客さまもあれば、新たな事業に進出するために、従来の事業を縮小するお客さまもいます。こうしたお客さまの変化による売り上げの減少をカバーするには、当然のことながら、新規開拓が欠かせません。新規開拓は、「顧客の創造」と言えます。
しかし、営業担当者としては、新規のお客さまや苦手なお客さまへの訪問は敬遠したいし、親しくなったお客さまにはたくさん訪問したいと感じるものです。その結果、いわゆる偏り訪問が生じ、営業成績伸び悩みの一因になります。
こうした問題を解決する糸口は、気分や成り行き任せではない、計画に基づいた営業活動です。今回は、新規開拓で安定した成果をあげるために、訪問計画の立て方を考えます。
定期訪問計画の重要性
営業担当者の訪問は、大きく2種類に分けることができます。定期訪問とそれ以外の訪問です。
定期訪問
自分が立てた計画に基づいて、お客さまとの間で情報の収集や提供を行います。「信頼の確立」や「問題の共有」を目的として行う訪問が中心になりますが、優れた営業担当者は、このプロセスに時間とエネルギーを注ぎ、しっかり丁寧に行います。
定期訪問以外の訪問
商談が発生したことによる集中的な訪問と、クレーム処理に伴う訪問が主です。定期訪問とそれ以外の訪問の大きな違いは、営業担当者が、自分であらかじめ計画できるか否かです。商談やクレームは、いつ発生するかわかりません。計画できるのは定期訪問だけです。
また、商談やクレームが発生する確率が高いのは既存のお客さまであり、新規の見込み客からは、あまりありません。言い換えれば、新規見込み客との接点を持つには、定期訪問計画による訪問活動が不可欠です。
定期訪問計画の立て方
定期訪問計画の重要性を確認したところで、定期訪問計画の立て方を見ていきます。
- 1. 見込み客を洗い出す
- 2. 訪問可能日数と訪問可能件数を算出する
1. 見込み客を洗い出す
まずは、どこを訪問するか、見込み客の洗い出しが必要です。これには基本的な顧客データが必要ですが、見込み客の条件としては、以下の3点が挙げられます。これらを考慮したうえで、訪問先を決定します。
- 見込み客が、営業担当者が扱っている商品やサービスで、解決できる問題を抱えている
- その問題解決に対して、正当な対価を払ってくれる
- 総合的に判断して、営業担当者の努力に値する
2. 訪問可能日数と訪問可能件数を算出する
次に、月あたりの訪問可能日数と1日あたりの訪問可能件数を考えます。
① 訪問可能日数
仮に、月20日稼働のうち、6日間が社内会議などで訪問できないのであれば、20-6=14日が、訪問可能日数となります。
稼働日 | 20日/月 |
---|---|
会議等 | 6日 |
計算 | 20-6=14 |
【訪問可能日数】 | 14日 |
② 総訪問可能件数
もし1日あたり3件の訪問が可能だとすれば、3×14=42件が、月あたりの総訪問可能件数となります。
訪問可能件数 | 3件/日 |
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訪問可能日数 | 14日 |
計算 | 3×14=42 |
【総訪問可能件数】 | 42件 |
この42件には、商談やクレームなどの訪問も含まれます。したがって、定期訪問に充てられるのは、せいぜいこの半分の21件とみなします。この21件に、新規の見込み客や、重点顧客への訪問を割り当てます。そして、アポイントを取りながら、実際の訪問日時を調整していくことになります。
定期訪問をおろそかにし、目の前の商談だけを追いかけていると、新規顧客開拓はいつまでもできません。有限である時間を効率よく使うためにも、「定期訪問計画」を立て、それを実行することが求められます。
- 第1回 2回目訪問のアポイントが取れない2つの理由-初回訪問から考える新規開拓
- 第2回 定期訪問計画の重要性とその立て方
- 第3回 営業担当者が成果をあげる3つのポイント