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2012年を迎えてこれから目指す先は

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精神的な豊かさと物質的な豊かさの両方を求めるために

2012年を迎えて振り返る2011年

新年を迎えて、それぞれの胸に新たな決意が生まれてきていると思います。新年の話をする前に、昨年のことをどれだけ記憶していますか。少し振り返ってみましょう。

自然災害では、多くの命を奪った3月11日の大地震と津波の記憶が鮮明ですが、まだ復興の緒に就いたばかりです。その前の2月のニュージーランド地震では、語学留学生が犠牲になりました。さらに9月には台風12号があり、十津川村を中心に大きな被害を受けました。11月にはトルコ山岳地帯で地震があり、日本人を含めて多くの犠牲者が出ました。また、夏以降、タイでは洪水が起こり、今でも続いているようです。

世界情勢では、2010年12月のチュニジア「ジャスミン革命」に始まった「アラブの春」が、エジプト、リビア、イエメンに波及し、シリアなどでも進行中です。また、ギリシャ財政危機に始まったEUにおける経済危機も、収束の見通しが立たず、世界経済に大きな影響を及ぼしています。

これ以外にもビンラディンが殺害されたり、米軍のイラクからの撤退などがありましたが、皆さんの記憶にどのくらい留まっていますか。わずか1年の間に起きたことです。

これらの出来事の影響は、広範囲にわたっています。東北の震災の影響で米国の自動車会社のラインが止まったり、タイの洪水によって国内の産業に大きな影響が出たり、地球規模での連鎖になっています。

変化の時代に新しい着地点を求めて

マゼランに代表される大航海時代は、主として香料を求めて「より遠く」西洋からアジアを目指したものですが、現在は、情報のスピード化によって、「より近く」なっています。

産業のあり方も大きく変化し、従来の第一次、第二次、第三次産業といった分類ができない状態になっています。お客さまの業界を分類する際に、戸惑いがあると思います。世の中が複雑になり、従来の枠組みでは考えられないことが増えて、なかなか将来を見通せない時代です。

先日、ブータンから国王が来日されましたが、そこで示されたのが「国民総幸福量」という考え方でした。個人消費や設備投資による物質的な豊かさを目標とするのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すという考え方です。

しかし、私たちは、世界を動かしている歯車に組み込まれています。このような状況で、精神的な豊かさと物質的な豊かさの両方を求めるとしたら、どうしたらよいでしょうか。考えて知恵を出す必要があります。

組織や個人が成長するうえで、大事なことは知恵を出し合うこと、そしてコミュニケーションを良くして、出し合った知恵を生かすことが大事です。お互いに知恵を出し合い、新しい着地点を求めてがんばりましょう。

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