変化を拒否してとどまり続けないために
職場でも日常生活でも起こるさまざまな変化
最近、日常生活にさまざまな変化が起きていることに気づかされます。例えば、毎朝の通勤時の駅の改札。自動改札になってずいぶんと経ちますが、たまに切符を買う段になって、券売機の新しさにとまどいます。目的地までの料金を入れたのはよいのですが、どのボタンを押せば発券されるのか分からず手間取り、もう少し分かりやすくならないものかと不満を覚えます。
家庭の中でも、いつの間にかVHSは消滅して、DVDになっています。せっかく覚えた取り扱い方法が役に立たず、また初めから覚えなくてはならなりません。おまけに、リモコンがいくつもあり、ボタンを押すと予想外のものが動き出します。
日常生活だけでなく、職場においても多くの変化が起きています。組織の改編、人事異動、新しいコンピューターシステムの導入、早期退職制度の実施など、枚挙にいとまがないほどです。
このような、職場や日常生活の変化に対応するには、どうしたらよいのでしょうか。
大事なのは否定的な反応から先へ進むこと
一般的に、「人は成長を好むが、変化を嫌う」と言われています。自分の周りの15%程度の変化に対してさえ、100%の変化が起きたように反応します。それも、肯定的な反応より否定的な反応が多いのです。
否定的な反応は、主として4つです。自分が変化に対して否定的な反応をしているとしたら、4つのうち、どれに該当するでしょうか。
- 1. 憤慨
自分がうまく対応できない問題をかくすために、怒りの反応をする - 2. 無関心
仕事に気持ちが入らず、積極的に関与しない。最低限の、求められたことしかやらない - 3. 自己喪失
「昔はよかった、それに比べて今は…」など、過去への執着が強くなる - 4. 方位喪失
心配しすぎて目標や方向を見失い、パニック状態に陥る
そのうえで、つぎの質問に自問自答してみましょう。
1. 起きている変化について
- どう考えているのか
- 何を失うことを恐れているのか
- 変化によって起きてほしくないことは何か?
2. それは本当かを見極める
- どれが事実で、どれが事実でないか
- 「失った(失う)」と思っているものを、本当に失ったのか、それとも、感情的にそう思っているだけなのか
3. 変化を通して得られるもの
- 変化によって、もたらされるかもしれないプラス面
- この変化に本当に期待しているものは何か。何を得たいのか?
4. 最初にすべきこと
- 手に入れたいものを得るために、まず何をすべきか?
こういった自己管理の手法を身につけることが、変化に強くなるやり方のひとつです。変化に遭遇した最初の否定的な反応は、問題視すべきことではありません。問題なのは、否定的な反応にとどまり続けることです。まず第1歩を踏み出し、自分自身の前進を感じることが、成長には不可欠なのです。