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企業理念に基づくグローバル化

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企業経営の軸となる「企業理念」

存在意義から考える企業の成長

日本経済が低成長の時代に入ってから今日までに、高度経済成長期を牽引してきたリーダーが表舞台から姿を消していきました。また、世界経済の中心であった米国の力にも陰りが見え、「BRICS」と呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国などの国々が、世界経済の大きな比重を占めるようになってきました。

このような環境下にあって、日本の企業はもっとグローバル化する必要があるという声が聞こえてきます。では、「グローバル化」とは何でしょうか。結果として、全世界を対象とするビジネスを展開することになったことは理解できます。しかし、グローバルにビジネスを展開することは、手段にすぎません。

グローバルに事業を展開する企業には、必然性が必要です。それは単なるマーケティング上の問題ではなく、企業経営の軸にあたるもの、つまり「企業理念」から発していなくてはなりません。

時代の変遷に応じた企業理念とは

企業理念は、企業の存在意義を表すものです。また、存在意義を具体化するための経営方針、および社員の行動を指示する行動指針が含まれます。高度成長時代を牽引してきた経営者の多くは、独自の企業理念を持ち、それを社内外に発信してきました。松下電器産業(現パナソニック)、本田技研工業、キヤノンなどはその典型で、多くの人に認知されています。

その当時の社員にとっては、創業者とじかに接する機会があり、企業理念の理解は十分できていたと思われます。しかし、第一次世代が去った現在、どのように企業理念の浸透を図ったらよいか、あるいは時代の変遷に応じて企業理念を変えていくべきかを、悩んでいる経営者は多いと推察します。

ここで、「企業理念」を考えるうえでのポイントを述べてみましょう。

  1. あなたの会社にとって、お客さまは誰か?
  2. あなたの会社は、お客さまのどのような問題を解決できるか?
  3. あなたの会社の社員が、会社への貢献で一番誇りに思っていることは何か?
  4. 将来、あなたの会社が、手がけるべき重要なことは何か?

「お客さまは誰か」は事業領域に関することですし、お客さまの問題解決手段は、取り扱う商品やサービスにつながります。また、この質問には、企業の将来像や企業が追求する価値も含まれています。企業理念に定めた事業領域が全世界であるなら、結果的にグローバル企業を目指すことは、当然です。

上記4つの質問に答える形で、一度、企業理念を考えて直してみてはいかがでしょう。

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