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結果を出すためのセルフマネジメント

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人の行動に影響を与えるさまざまな要素を知る

先日、サッカー日本代表の本田圭佑選手がインタビューに答えていました。「結果が出せるところまで(自身の仕上がりを)上げたい。(意識するのは)得点にからむ準備。何を食べるか、何時に寝るか、どういったサッカービデオを見るか、誰と話すか、何を話すか。24時間のスケジューリングを、うまく組み込めたらなと思います。」

食事や睡眠はまだしも、会話の内容にまで意識を巡らせ、セルフマネジメントをしていることを知り、結果を出すためにここまでやるのかと、感心した次第です。

行動は「特性」と「環境」に影響を受ける

ビジネスの世界でも、「セルフマネジメント」が重要だと言われています。望ましい結果、望まれている結果を出すために、何をするか、あるいはしないか。そのための手がかりを得ようと、著名人の自己管理方法をまねてみるという人をよく見かけます。

しかし、その方法を試しても長続きせず、またほかを探すというパターンが、決して少なくないように思えます。

人がとる行動とは、人間の特性と環境が、相互に作用して生じるものであり、B=f(P・E)という式で説明できます。これを「クルト・レヴィンの法則(場の理論)」といいます。

  • B=Behavior (行動)
  • f=Function (関数)
  • P=Personality (人間性、人格、個性、価値観、性格など)
  • E=Environment (周囲の状況、集団の規制、人間関係、風土など)

心理学者のレヴィンは、人の行動はその人を取り巻く環境、すなわち「場」の力によって影響を受けると述べています。

たとえば、自宅では[E:状況]ほかの用事をそっちのけにしてFIFAワールドカップの試合を見てしまう[B:行動]としても、多くの人は、会社の就業時間中であれば[E]試合観戦に興じることはない[B]でしょう。

そのときの周辺環境が異なれば、人は異なる行動をとるということです。
もちろん、この法則は「場」の力だけでなく、パーソナリティも行動を左右することを示しています。

たとえば、ワールドカップの試合観戦が何より重要という人[P:個性]は、有給休暇を取ってでも試合観戦に行く[B]でしょう。また、職場で業務時間中にワールドカップの観戦が許可された[E]としても、サッカーに興味がない人[P]は、変わらず観戦に興じない[B]かもしれません。個々人の価値観や性格による影響によって、環境が変わったとしても、行動は変わらないことがあるとも言えます。

セルフマネジメントを実践し、期待される結果を出すために

行動[B]の先には、「結果」があります。セルフマネジメントを行いながら期待される結果を出すためには、「パーソナリティ」→「行動」→「結果」という枠組みを再認識し、自分のパーソナリティが自分の行動にどのような影響を与えているかをよく理解することが重要ではないでしょうか。

個々人のパーソナリティに関して、ラーニング・マスターズでは、新たなサービスとしてビジネスシーンでの活用を視野に入れたビッグ・ファイブ理論に基づく診断ツール「パーソナリティ診断(Facet5)」を導入しています。

セルフマネジメントを実践するうえでの、最初のステップは、まさに「己(セルフ)を知ること」。それにより、自分に合った、長続きするセルフマネジメント方法を発見できるはずです。

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