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自由な発想でひらめきを得る「生産性」と「創造性」

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生産性・創造性を高める「自由」と「混沌」 第2回

自由な発想で考える

前回のコラムでは、「混沌」から抜け出す考え方をお伝えしました。まず混沌から抜け出すことが、生産性や創造性を高めるスタートです。しかし、あくまでもスタートであり、それで問題がすべて解決に向かうわけではありません。

職種などで違いはありますが、ビジネスを進めるうえでは、ルーティン的な仕事をこなしたうえで、自由な発想を求められるケースが多くあると思います。特に、3月は多くの会社が期末となり、部署や担当者レベルでも、4月以降の計画や戦略を考えることが求められる時期です。

こうした状況で、データに基づいて考えるのと同時に、よく出てくるのが「自由な発想でアイデアを出してほしい」「自由な発想で考えてみよう」という言葉ではないでしょうか。

枠から外れた「自由」な発想

自由な発想には、意図的に既存の枠組みやルールなどを外して考える必要があります。前回のコラムでようやく「混沌」を抜け出したところですが、ここでまた、一種の「混沌」を生み出すことになります。

これは、とても難易度の高い行為です。人間は、物事を自分の思考の枠組みで認知しようとします。枠から外れた「自由」な発想は、意識してみても、簡単にはできません。

歴史を振り返ると、天才と呼ばれる人たちは、枠組みから逸脱した場所で、ひらめきを得てきました。天才ではなくとも、誰しもが自由に発想することはできないのか? この問いへの答えの1つが、エドワード・デボノ博士が提唱する「Lateral Thinking(水平思考)」です。

水平思考で創造性を発揮する

「論理思考」は、教育研修でもよく実施されているようです。人が思考するうえで、物事を論理的に突き詰め、深く考える垂直方向が論理思考です。思考を広げて、アイデアや視点、考えるべき課題点の母数を増やす水平思考は、論理思考では思いつかないような解決策を生み出すための思考法とされています。

デボノ博士は、水平思考の正しいやり方を訓練し、習熟することで、天才ではなくとも、自由な発想が可能になるとしています。当社の教育研修プログラム「水平思考による創造力強化」や、著作などでも言及されています。

創造性は、これからの社会でキーになっていくことが予想できます。コンピューターの性能が高まり、さまざまな人間の機能を任せることが可能になってきました。そんな高度なコンピューターでも代替が難しい人間の価値の1つが、創造性ではないでしょうか。

GTD®の提唱者であるデビッド・アレン氏も「人の頭はアイデアを生むところであって、アイデアを保存するところではありません」と語っています。「生産性」と「創造性」は、これからのビジネスにおいて重要なポイントです。

年度末になりました。個人のスキルや、所属する組織の教育など、「生産性」と「創造性」の観点で、一度見直してみてはいかがでしょうか。

林 健太郎

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