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転機で「選ばなかった方」のキャリア

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キャリア形成を考えるヒント
「選ばなかった方の人生」 第1回

人生は偶然による「転機」の連続

キャリア理論研究者のナンシー・K・シュロスバーグによれば、人生とは「転機」の連続であり、それは偶然に支配されているといいます。綿密に計画を立てたとしても、人や仕事との偶然の出会いによって、簡単に覆されてしまうと示しています。とはいえ、人生計画自体が無駄なものだと言いたいわけではありません。同じくキャリア研究者のジョン.D.クランボルツは、「計画された偶発性理論」を展開しています。キャリアは予想しない偶発的な出来事に決定されるとする一方で、人は自分の描く将来につながる偶然を引き寄せることができるという考え方です。

ところで、従来の日本社会では、一度就職した企業での終身雇用が一般的でした。これは、不祥事を起こすようなことでもないかぎり、定年まで継続して就業できる前提があったからです。この点だけで言えば、現在でも大きな変化がないという企業も多いかと思いますが、対外的な理由で会社のあり方や方針が変更になり、事業内容の変更を余儀なくされるといったこともあります。

事業内容の変化を受けて、社外への配置転換という「転機」に、私は直面したことがあります。会社の意向を受け入れ、そのまま過ごしていくことが、自分の人生にとって良いことなのか、悪いことなのかも分からず、私の将来を約束してくれる人もいません。そのため、私は自分一人で確実にできることを考えました。そして、自分の状況を積極的に受け入れ、納得できる「選択」として、転職をしました。自分が納得したことであれば、先の見えない不安な状況でも、未来に目を向けることができたことを覚えています。

「転機」でこれまでのキャリアを検討する

転機に直面した時に「選ばなかった方」のキャリアがどうなっていたかを考えてみます。私の場合、興味を持てない仕事を、生活費のためだけに続けていたはずです。それまで仕事に大きな時間を割いていましたので、ごく自然に、人生の大半をその仕事に費やして過ごしていたでしょう。

過去の転機に対する自分の選択を振り返って、ああすれば良かったのにとあらためて考えることが誰しもあります。人生は後悔の連続とも言えます。しかし、後悔も含めて、選択しなかった方のキャリアを「なかったこと」にするのはやめましょう。ぜひ、これまで歩んできたキャリアを検討する材料として、過去の転機に向き合ってください。今のキャリアにつながる選択をした理由や、選択をしたときの前向きな気持ちを思い出したり、「選ばなかった方」の自分がどうなっているかを考えたりすることは、現在の自分や今後のキャリア形成にパワーを与えることにつながるはずです。

渡辺 誠一

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