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レジリエンスとラテラルシンキング

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逆境を打破して「回復」と成長を目指していくために

日本を元気に!

最近「レジリエンス」という言葉を目にすることが多くなりました。resilienceとつづりますが、「弾力性、回復力、復元力」といった意味の言葉です。少し調べてみると、生態学(環境学)、心理学、医学、工業技術などの分野でレジリエンスという言葉が見られます。

ラーニング・マスターズが、この言葉を使った「Building Resilience(BR)」という教育研修プログラムを世に出したのが、2004年でした。現在は、「ストレスをパワーにかえるためのレジリエンス強化」という名称で提供しています。日々のストレス状態から回復するための考え方や、方策を学ぶ研修です。昨今の、メンタルヘルスやストレスへの関心の高まりに比例して、この研修の開催数も、増加の一途をたどっています。開催が増えること自体はありがたい反面、それだけ多くの人がストレスを感じているということにもなりますから、何とも複雑な気持ちになります。

心理学の齊藤勇先生が、「逆境をバネにがんばるという『何くその心理』は、欧米人以上に日本人に強いように思われる」と以前お話されていましたが、最近は「がんばる」「何くそ」が弱くなっているのでしょうか。いや、そんなことはない、日本人は強いよ…と私自身は思っていますが。

行き詰まった現状打破に必要なアイデアの創出

さて、気分が落ち込んだりストレスを感じたりすると、良いアイデアが生まれないという経験は、多くの人がしていると思います。今、日本は、国全体がそんな状態にいるように感じます。どうしても、行き詰まっている…そんな気がします。

そんな中で、「ラテラルシンキング(水平思考)」という言葉を見聞きする機会も、多くなりました。こちらも、ラーニング・マスターズの教育研修プログラム名称(「水平思考による創造力強化(ラテラルシンキング Lateral Thinking)」)ですから、当たり前だろうとも言われそうですが、それだけではなく、思考の枠から出て発想し、斬新なアイデアを考えようというラテラルシンキングの考えが、強く求められていると感じています。

ラテラル(lateral)は、「横に向かって」という意味です。「水平思考」とあるように、“ラテラルシンキング”のイメージとは、“水平線を見渡す限りアイデアで埋めつくすこと”であると言えます。それが、今の日本では希有なことになっているのではないでしょうか。良いアイデアがあるはずなのに、「無理だろう」とか、「あり得ない」、「うまくいきっこない」、「バカにされるよ」、などの否定的な思考が先に来て、斬新なアイデアの創出にまで至っていないように思えます。

仕事でも私生活でも、われわれ国民が(少し大きく出すぎたかな)ラテラルシンキングで、もっと自由に発想して、アイデアをたくさん考えること。これが、現状打破の1つだと思います。元気な日本は、レジリエンスとラテラルシンキングで。

和栗 章

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