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プロ野球から考える組織を強くする
2つのポイント

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組織強化に必要な「期待」と「継続」

組織はなぜ変わった?

今年のゴールデンウィークは、長い休暇を取りやすく、旅行で遠出された方も多かったのではないでしょうか。日常生活からオフサイトすることは、リフレッシュや、外から自分を振り返る良い機会にもなります。

今年の私のゴールデンウィークは、そのような体験に憧れつつ、大半を家で過ごすことになりました。旅行に行けないのは残念でしたが、それでもハッピーな気持ちで過ごすことができました。私が昔から応援している横浜DeNAベイスターズ(以下、ベイスターズ)が、近年まれに見る好調を維持して、ゴールデンウィーク中に、単独首位に駆け上がったからです。

ここ数年のベイスターズは万年Bクラス、最下位の常連でした。そんなチームがなぜ、ここまで結果を残せる組織となったのでしょうか。組織が変わった要因はさまざまに考えられますが、個人的に感じるポイントを、2つ挙げたいと思います。

組織を強くするポイント

1. 「ホーソン効果」を引き起こしたこと

人は注目され、期待されることで、その期待に応えたいと感じ、能力を発揮する――有名なホーソン工場の実験から言われています。この効果が、ベイスターズにも起きていると言えるでしょう。

新オーナー、新監督になってから、メディアからの注目や観客動員はとても好調であり、それが現場レベルに良い影響を与えているのではないかと考えます。年間総動員数は2011年から2014年の3年で、42%増加し、約1.5倍にもなりました。

万年最下位のチームが、ここまで注目や期待を集めるのは、とても困難です。常勝チームであれば、注目も期待も集めやすかったでしょう。低迷を続ける成績状況でも、注目や期待が高まったのは、イベントや施設の改善を推進したこと、現場リーダーの中畑監督が、積極的に外へメッセージを発信し続けたことなどが大きなポイントだったと考えます。

成績では下位に沈みつつも、注目度を高めることに成功し、それが今期は、成績にも跳ね返ってきているのではないでしょうか。

2. チームのリーダー「監督」を変えず継続して任せていること

変革や変化には時間がかかります。一足飛びではなく、終結期から過渡期を経て、新生期に至る過程があると言われています(書籍「アフターショック」より)。

これまでのベイスターズは、短期的に結果が出ないと、早い段階での監督の解雇を繰り返してきました。これでは、変化を起こそうにも、大胆な抜擢や育成やチームの風土を変えるといった動きは難しいというものです。

新オーナー企業になってから、今年で4年目を迎えますが、中畑監督1名で通しています。短期的成果ばかりではないチームづくりが可能になったことで、若手の大胆な抜擢や育成にもつながり、4年前の若手が中心選手となり、今年の新人も躍動しています。

この2つのポイントから、組織を強くするために、自社や自部門に対して、以下のような問い立てができると思われます。

  • メンバーが、周囲(社内外問わず)からの、期待や注目を感じながら仕事ができる環境を、作れていますか?
  • なかなか成果の出ないメンバーにも、期待や注目をかけてフォローできていますか?
  • 短期的な数字ばかりではなく、中長期的な視点での継続的な取り組みはできていますか?

皆さんの組織はいかがでしょうか。何ができていて、何が欠けているのか、ぜひ考えてみてください。

林 健太郎

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