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「ネットで調べる」時代の価値

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今回は初めにこの質問について考えてもらいたいと思います。

「あなたは、何か分からないことや知りたいことが発生したとき、まず何をしますか?」

おそらく「ネットで調べる」と言う手法が、頭に浮かんだのではないでしょうか?
これがインターネット以前であれば「本で調べる」「職場の先輩に聞く」「職場外でも事情通な人に聞く」といったいくつかの手法がとられていたと思います。しかし、ここ20年程度で環境が大きく変化しました。時間や場所、人的なネットワークの有無に関わらず、そこにネット回線と端末がある状態であれば、世の中の大抵の情報にアクセスできる状況になっています。


この状況が意味することとして、情報を保持していることの価値が低下していると言うことができると思います。例えば、20年前に、雑学豊かでおもしろい人という評価を得るには、相当な本や資料を集めるところからスタートして、あらゆる質問に対して即答するために、頭にその情報をストックしておく必要がありました。何冊もの本を常に持ち歩くことは、できなかったからです。

今なら、スマホさえ持っていれば、資料を集める苦労も情報を頭にストックしておく必要もなく、「雑学豊かでおもしろい人」という評価を得ることが可能になりました。ただし、そうなってくると、「雑学豊かでおもしろい人」であることには、あまり意味がないようにも思われます。(テレビのクイズ番組で力を発揮するなど、ネット環境が禁止された限定的シチュエーションでの価値しかなくなってきているのではないでしょうか)

情報そのものを保持すること自体の価値が、昔にくらべて下がったのに対して、今、価値が高まっているものは、「情報の活用」に関することと考えています。

例えば、

その情報を使って何をしたいのか?
その情報をどのように使うのか?
単体で使うのか?それとも他と組み合わせて使うのか?

これらの問いの答えは「ネットで調べる」では手に入らず、「自分で考え出す」ことが求められます。これは当社のように知識・スキル・ノウハウなどを多く扱っている企業にとっては、インターネットが便利になったことで、より物事の本質にあたる部分を問われるようになったと、とらえることができるかもしれません。

業界によって差はあると思いますが、皆さんはこの変化についてどうお考えでしょうか?

林 健太郎

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