ひと皮むけた営業担当者へ
- 営業とゴルフの共通性からの考察 第5回
営業もゴルフも、「基本」を身につけていないと、上達しません。ゴルフの場合、いつまでも100を切れないスコアではおもしろくないですし、営業も、いつまでも目標達成できなければ、職場に行きたくなくなります。
しかし、その状態に甘んじている「そこそこ営業担当者」や「そこそこゴルファー」が、少なくありません。初回でも触れましたが、自己流でもそこそこ(ときどき)成果が出るので、そこで満足してしまうからです。
本当に、そのままでいいのでしょうか。「基本」をおさえ、このあたりで「そこそこ」から脱出してみませんか。
「そこそこゴルファー」からの脱出
ゴルフの場合、スイングの前にとても重要な「基本」があります。
1. グリップ
スイング上の多くの問題はグリップにあります。無意識のうちに、自己流の握り方になっていませんか。
2. エイミング
飛ばす方向の確認です。風向きなど考慮して立ちます。コース内では練習マットなどの目印がないので、真っ直ぐ立つことが意外と難しいものです。
3. セットアップ
ボールに対してクラブをセットする一連の動作です。クラブフェースをスパット(目印)に合わせ、スタンス(足の位置)を決めることが大事です。
数学で「行き詰まったら仮説に戻れ」と言われるように、ゴルフでは、「思うようにボールが飛ばなかったら、グリップ、エイミング、セットアップを確認しろ」ということになります。
まず、スイング前にこの「基本」をおさえ、さらにフルショット(距離を稼ぐ)、ピッチショット(ボールを高くあげて転がりを少なくする)、チップショット(転がしてピンそばへよせる)、パッティング(カップに入れる)の4ショットについてスキルアップを図れば、「そこそこ」から脱出できるはずです。
「そこそこ営業担当者」からの脱出
さて、営業の場合も、お客さまと面談する前の重要な「基本」が、3つあります。
1. 営業プロセスの確認
営業には4つのプロセスがあります。
- 信頼の確立(お客さまと信頼関係を築く)
- 問題の共有(お客さまのニーズを把握する)
- 提案の説明(共有した問題の解決策を提案する)
- 不安の解消(お客さまの不安をなくし契約に至る)
まずは、これから会おうとするお客さまが、4つのプロセスのどこに該当するのかを判断します。当然ながら、初対面のお客さまと会う場合、該当するプロセスは「信頼の確立」になります。
2. お客さまの立場で考える
プロセスを確認したら、お客さまが面談に対して何を期待しているのか、どのような疑問を持ちながらこちらと会うのかを考えることです。期待や疑問はプロセスごとで違いますが、初めてのお客さまであれば、「なぜ、うちに来たのか」、「あなたの会社は何をしている会社なのか」などが考えられます。
3. 考えた期待や疑問への答を準備する
何を、どのように伝えるか、を準備します。これが面談のスキルにあたります。面談のスキルはプロセスごとにありますが、初めてのお客さまが持つ、「なぜ、うちに来たのか」「あなたの会社は何をしている会社なのか」といった疑問へは、「訪問の目的を伝える」や「会社や自分の能力をアピールする」といったスキルを使いながら答えていきます。
面談で営業担当者が話すことと、営業プロセスに由来するお客さまの期待や疑問との間にギャップやズレがあると、面談はうまくいきません。期待が満たされない、疑問が解消しないとお客さまが感じてしまうからです。
以上の「基本」を面談する前におさえたうえで、プロセスごとのスキルアップを図ることにより、「そこそこ」から脱出(安定的な目標達成)できます。
次回は、次の成長につなげるための「結果分析」について考えてみましょう。