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スイングの前、面談の前
- 営業もゴルフも緊張から始まる

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ひと皮むけた営業担当者へ
- 営業とゴルフの共通性からの考察 第2回

緊張感が悪さをする

ゴルフでは、最初のスタート地点(ティーイングランド)に立つと、誰もが緊張します。順番待ちをしているプレーヤーが周りで見ているので、それがさらに緊張を高めます。身体もまだ、ほぐれていません。そんな中、「うまく打てるかな」、「失敗したらどうしょう」と自分で自分にプレッシャーをかけてしまいます。

その結果、チョロ(ボールをかするようにスイングしてしまい、ボールがチョロっと転がること)をしたり、空振りやOB(アウトオブバウンズ、プレイ可能区域外にボールが入ってしまうこと)につながります。

営業活動ではどうでしょう。

面談相手が初対面の場合、「うまく話ができるかな」「嫌われたらどうしよう」と考え、自分にプレッシャーをかけてしまうことはありませんか? その結果、一方的に自社の製品やサービスの話をしてしまい、「何かありましたら、こちらから連絡します」と断り文句を言われてしまうということも、あるのではないでしょうか。

スタート段階をうまく乗り切るには?

ゴルフのスタート地点や、営業の初対面の緊張から逃れることは可能でしょうか? 結論から言えば、それは不可能です。なぜなら、最初の場面で緊張するのは、当たり前だからです。

しかし、スタート段階を、うまく乗り切る方法はあります。

「ゴルフはミスをいかにカバーするかのスポーツである」「一回のスイングの失敗は取り戻せる」という開き直りが、ゴルフでは重要でしょう。プロでも完璧なスイングはできません。大切なことは、スイングにこだわるのではなく、グリーンから逆算して、第一打をどこに打つかを考えることだとプロは言っています。スコットランドの古いことわざとして、または、“球聖”とも呼ばれた偉大なプレーヤーであるボビー・ジョーンズの言葉としても知られる、「ゴルフは耳と耳の間のゲーム」という格言があります。耳と耳の間、つまり頭で「考える」ことが大事だという意味です。

営業でも、同じことが言えます。営業の立場からのみ「何を話すか」にこだわることは、スイングにこだわることと同じです。面談のゴール(訪問目的)から逆算して、ゴールを達成するには何をしたら良いかを「考える」ことが大事です。そのためには、お客さまの立場に立って、面談に何を期待するのかを想像し、その答を準備して面談に臨むことです。お客さまの側から営業を考えることが、スタート段階を乗り切るポイントです。

次回は、ゴール設定の仕方について考えてみましょう。

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