ひと皮むけた営業担当者へ
- 営業とゴルフの共通性からの考察 最終回
営業とゴルフで、さらに成長を図るための秘訣が3つあります。
- 感情のコントロール
- 環境の変化を読む力
- モデルとなる人やアドバイスをくれる人
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
1. 感情のコントロール
皆さんは、いつも完璧なショットやベストスコアを期待していませんか。残念ながら、それができないのがゴルフです。そもそもゴルフとは失敗をカバーするスポーツだと言われていますが、OBを続けて打つなどの失敗が続くと、カッとなって自分を見失った経験は誰でもあるでしょう。プロでも、思わず池に自分のクラブを投げ捨ててしまうこともありますね。
この、「カッとなったとき」が、実は成長のチャンスです。「冷静さを保つ」つまり「自分の感情をコントロール」してトラブルに対処する、これがさらなる成長への第一歩になります。
営業でも、「カッとなる」状況があります。お客さまに対して「何で分かってくれないのか」といった怒りの感情を持ったことはないでしょうか。十分要望に応えたと思っていたのに、こちらの期待には応えてくれなかったり、信頼関係ができたと思っていたのに、裏切りに合ったり。
しかし、過去と他人は変えられないもので、怒りの感情は、何の問題解決にもなりません。こういうときにこそ「感情をコントロール」し、なぜうまくいかなかったかを冷静に分析して、次に備えることが重要です。
2. 環境の変化を読む力
ゴルフは自然が相手なので、いつも穏やかな天候の中でできるわけではありません。季節によって芝の状況も変わり、ティーイングランドとグリーンでの風向き、周囲の山と水の流れによって芝目も違います。こうした環境の変化を読み、自分の力量を加味して対応できるようにすることが、成長につながります。
営業も同様です。お客さまの課題や今後の変化を、さまざまな情報から分析しなければなりません。今や必要な情報は、インターネットや業界紙・誌、各種勉強会などから容易に収集することができますが、ここで注意することがあります。
これらの情報は情報資料(Information)に過ぎないことです。ここから何を読み取るか、自分にとって役立つ情報化をすること(Intelligence)が大切です。そうすることで、将来を予想し、課題設定をして、お客さまとディスカッションができるようになり、営業担当者としての成長を促します。
3. モデルとなる人やアドバイスをくれる人
学ぶことは、まねることから始まると言われます。ゴルフの場合は、上手な人と回ることです。打つ前のルーティーンはどうしているのか、構えてどのくらいの時間で打つのか、トラブル対処はどのようにしているのかなどを観察して、まねます。
最近はセルフプレーが増えていますが、最初はキャディつきで回ることをおすすめします。初めて回るコースでは、距離感がつかめないことや芝目が読めないことがあるので、キャディから適切なアドバイスを受けることによって、距離感の把握や芝の読み方を学べます。
営業の場合は、先輩がどのように訪問前の準備をしているのか、面談から帰った後は何をしているのか、どのようなタイミングでお客さまと連絡を取り合っているのかなどを観察し、まねることです。また、先輩とは別に、困ったときや悩んだときに適切なアドバイスをしてくれる人を持つことも重要です。「困った時の○○頼み」といった、気軽に相談できる人を社内外に持つことが、大きな成長の助けになります。
以上のように、「感情のコントロール」「環境の変化を読む力」「モデルとなる人やアドバイスをくれる人」の3つがあれば、結果を出すことができ、営業もゴルフも楽しくなります。ぜひ、試してみてください。
7回にわたりお読みいただき、ありがとうございました。