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To-Doリストが機能すれば目の前のことに集中できる

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To-Doリスト~GTD®の視点からのヒント~ 第4回

これまでのシリーズでは、To-Doリストを確実に機能させるポイントの1つとして、リストの項目を「物理的で具体的な行動を明確にする」、つまり、「意識していることを行動に落とし込む」ことをおすすめしてきました。これには、想像している以上にエネルギーが必要です。

なぜエネルギーが必要か

例えば、ある採用担当者が、採用プロセスを改善するアイデアを思いつき、「これはできる、やろう」と考えたとします。しかし、細部の計画や予算申請、社内の調整など、実現させるために必要なことをリストにしていくと、その作業には、思いのほか時間がかかることが分かります。

頭の中では、自分自身のアイデアに焦点が当たっていて、実際に行動するイメージがあっても、具体化するには、ほかのさまざまなことにも焦点を当てなくてはならず、そこにエネルギーが必要になるのです。

意識していることを意識しない

「あれをやりたい」「あれをやろう」と強く意識をしていても、具体化には、エネルギーが必要となるので、意識したままにしておくことがあります。その場合、目の前のことに集中したくても、「あれをやろう」と意識していることが、頭の中に現れては消え、また現れという状態になります。これでは、目の前のことにも、意識していることにも、どちらにも集中できていない状況になってしまいます。

この状況を変えるためには、どうしたらよいのでしょうか。

意識していることを、頭の外に出してみるのはどうでしょう? エネルギーは必要ですが、思いきって、頭の中にある意識していることを、すべてリストに書き出してみるということです。意識はコントロールできないので、どんな場面でも、頭の中にはさまざまな「あれをやろう」が浮かんできて、集中をそがれます。しかし、すぐに書き出し、頭の外に置いておけば、「今は目の前のことに集中していれば大丈夫」、もしくは、「意識の中にあることは、今は意識しなくても大丈夫」と言えるようになります。

練習で変えられる

私たちは多くの場合、意識している大事なことは、忘れないように、もしくは、じっくり考えられるように、常に頭の中に置いておくことに、慣れてしまっています。実は、これは経験で身についたことです。経験で身についたことは、違う経験によって変えていくこともできます。つまり「意識していることを頭の中に置かない」ことも、経験、すなわち、練習で変えることができるのです。

To-Doリストが機能すれば目の前のことに集中できる

シリーズ第1回でお伝えしたことではありますが、あらためて、もう1度お伝えします。

To-Doリストを、「意識していることを行動に落とし込む」レベルのものにしておけば、やらなければならないことには何があるかを明確にすると同時に、「今はこれだけやっていれば大丈夫」という自信と、そのことに集中できる、というメリットをもたらします。

仕事の生産性をあげたり、ものごとを実現させるために、意識していることを頭の外に出す練習をしてみてはいかがでしょうか。

近藤 克明

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