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To-Doリストを確実に機能させるための3つのポイント

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To-Doリスト~GTD®の視点からのヒント~ 第1回

To-Doリストは作ったけれど…

これは、「翌年度の計画を立てる」際に書き出すTo-Doリストの例です。

  • 今年度の振り返り
  • 来年度のプラン作成
  • イベント関係のスケジュール作成
  • 関係部門との調整
  • 上司とのミーティング
  • 具体的な資料作成

一見シンプルで、必要なことを書き出しているように見えますが、少し掘り下げると、To-Doリストに関する「よくあること(残念な結果)」が見えてきます。

例えば、「先延ばし」です。リストには実際の行動は書かれていません。何から手を付ければ良いのか分からないために、目の前にあるほかの仕事を片付けることを、優先してしまうわけです。リストの項目が、実作業までよく把握していることであれば、全体は進んでいくかもしれません。しかし、慣れていないことや、やりたくないことがリストの項目になっていると、「リストには書いたけど、コトが前に進まない」場合が多くなります。

こうした事態を防ぐのは難しいことでありません。ちょっとした3つの「工夫」で、To-Doリストが確実に機能するようになります。

1. 物理的で具体的な行動を明確にする

To-Doリストの項目に対して、実際の行動は、もっと細分化された作業のはずです。そのため、リスト項目を「物理的で具体的な行動レベル」にしておくことが必要です。

冒頭の例の「今年度の振り返り」の場合、「今年度の振り返り」をどのように行うかを考えます。実績をまとめた表を使うと考えられるので、物理的で具体的な行動としては、「実績データを表計算ソフトに入力する」がリストの項目になります。さらに、「実績データ入力の前にやっておくことはないか」も考えると良いでしょう。

これによって、いつでも実作業に取りかかれ、最初の行動のはずが、実はその前の準備で手間取ってしまい、ストレスを抱えるということを防ぐことができます。

この点では、「To-Do」リストではなく「アクション」リストと呼ぶと、しっくりするかもしれません。

2. 何をもって終了と言えるのかを明確にする

「翌年度の計画を立てる」ために、To-Doリストの項目に取りかかったとして、何をどの程度行えば「計画を立てる」ことが終了するのかが、明確でないことがあります。その場合、焦点が不明確なまま無駄な時間とエネルギーを使ってしまい、やり直しや追加作業が発生してしまうことになります。

これを防ぐためには、その仕事のゴールがどこかを明確にする必要があります。「翌年度の計画を立てる」ことのゴールが、「翌年度の計画書の作成を完了させる」だとすると、実際に仕上がった計画書が完了の証となるでしょう。

管理上は、先ほどの「アクションリスト」と、完了の証を明確にした「ゴールのリスト」の2つを見ていくことになります。

3.「アクションリスト」と「ゴールのリスト」をシステムとしてとらえる

「アクションリスト」に書かれていることを行う際に、急ぎの案件が飛び込んでくることがあります。そのようなときに、急ぎの案件に集中して対応するためには、

  • いま抱えていることが「アクションリスト」に整理されている
  • 新たなことが起こったら、新たにリスト化されメンテナンスされる

というシステムが必要です。

システムとしてメンテナンスされず散漫とした状態では、急ぎの案件を、本当にいま対応すべきか、リスト化してから対応すべきかがあいまいになります。結局、なんとなく急ぎのことや目の前のことを先にやってしまい、リストは形骸化してしまいます。

メリットは「自信」と「集中」

普段なにげなく書いているTo-Doリストですが、確実に実行するためには、以上の3つのポイントをおさえておく必要があります。

これは、やらなければならないことには何があるかを明確にすると同時に、「今はこれだけやっていれば大丈夫」という自信と、そのことに集中できる、というメリットをもたらします。

3つのポイントを、具体的にどのようにしたらできるかは、こちらまで。

近藤 克明

To-Doリスト~GTD®の視点からのヒント~(全4回)
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