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“他人事”ではないコミュニケーションスキル向上

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パーソナリティデータに基づく
コミュニケーショントレーニング

今だからできる知識のインプット

気候が春めいてきましたが、今年は花粉より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世間をざわつかせています。今年の花粉飛散量は、昨年比50%程度とのことで(一般財団法人日本気象協会発表、東京地区)個人的には助かりますが、電車で不用意にくしゃみもできず、なかなか大変です。

感染症対策として、政府の「要請」を受けての各種大規模イベントと同様、企業の研修も次々に中止や延期になっています。しかし、人材育成に関わる私たちには期せずして時間が確保できるという面もありますので、知識や情報のインプットを積極的に行いたいところです。

組織の成長に重要なコミュニケーション

企業が成長するために必要とされる要素である経営資源は、一般的に「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つを指し、ラーニング・マスターズでは、その中で唯一、自らも変容できる「ヒト」の価値を上げることに焦点を当てています。

ヒューマンスキルの中心的なテーマが「コミュニケーション」です。組織は、人が集まって成長を目指します。そのため、組織の中枢である経営者や管理者のコミュニケーションが非常に重要となりますが、縦・横ともに、密なコミュニケーションを取れる組織はなかなか少ないと感じます。

『戦略と実行』(清水勝彦著・日経BP社・2011年)では、「リーダーが腹をくくって不退転の覚悟で、自分の価値観をあからさまにぶつけ合い、違いを知り、お互いを認め、仲間として統合していく、本気のコミュニケーションにより組織力は醸成される」と書かれています。コミュニケーションはお題目のビジョンや戦略ではなく、本気度や深さが必須要件となるわけです。

『なぜあなたのチームは力を出しきれないのか』(パトリック・レンシオーニ著・日経BP社・2002年)では、経営陣の相互コミュニケーションは、個人の価値観や個人史レベルまで至る深い相互理解と、やり過ぎと言われるくらい本気で徹底したコミュニケーションにより信頼と責任が生まれると説いています。

しかし、経営者や管理者は、「自分はコミュニケーションがうまくできている」と認識していることが多く、部下からの印象と自己認識が異なる傾向があります。コミュニケーションスキルの研修を実施しても、他人事だったり、高みの見物のような態度だったりという具合です。

客観的なレポートに基づく新たなトレーニング

ラーニング・マスターズでは、その解決策として、新たなトレーニングプログラムを現在開発しています。

診断ツール「Facet5」のパーソナリティデータを基にした、5種類の「対話スキル」の強みと弱みを知るレポート「SuperSkills」では、自分のコミュニケーションスキルの今後伸ばすべき要素などを客観的に把握できます。そして、それを踏まえたトレーニングでは、経営者や管理者がコミュニケーションについて何に注意するべきか分かるようになります。

これまでのような高みの見物ではなく、経営者や管理者が“自分事”としてコミュニケーションの向上に取り組めるトレーニングを目指しています。

開発にあたり、さまざまな書籍や格言などに触れました。そこで私自身が痛感したのは、以下の3つです。

「対話なきところに問題解決なし」
「対話相手は、自分が思う以上に、こちらの仕草を気にしている」
「個人のコミュニケーションスキルは、明確に強みと弱みがある。その弱みを自分で認識できている人は少ない」

開発中のトレーニングプログラムは、2020年夏頃のリリース予定です。どうぞご期待ください。

奥野 幸治

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