主体的な学びに必要な課題と動機
自分の課題に合わせたキャリアと学び
今、世間では「キャリア自律」「ジョブ型」などの言葉が多く聞かれ、キャリア形成に主体性が求められるようになっています。また、政府主導で「リカレント教育」(参考:リカレント教育 - 厚生労働省ウェブサイト)が推進され、学ぶこと、学び直すことの重要性も増しています。「学ばなきゃいけない」雰囲気がありますが、では、これを「学びたい」に変えるにはどうすればいいでしょうか。
企業の教育担当者の皆さまからも、「教育メニューを揃えれば、あとは社員が自分の課題に合わせて『自ら』選択して、学んでくれることが理想」といった声をよく伺います。実際に、そのような教育システムを導入し始める企業もある一方で、社員の立場からすると、戸惑いも大きいのが実状です。
これまでの経験から、どうしても「教育は会社がやってくれもの」と感じてしまうのではないでしょうか。そう言われても、何を受講すればいいのかわからないといった気持ちは、学生時代に、いわゆる「時間割」システムから、受講したい講義を自分で選択するシステムになり、戸惑ったことを思い出します。
自ら学ぶことを習慣化する
厚生労働省の「能力開発基本調査」(参考:能力開発基本調査 - 厚生労働省ウェブサイト)によると、自己啓発を行った労働者の割合は、2018年度(平成30年)から3割前後で推移しています。自己啓発を行う人材より、自己啓発を行わない人材の方が圧倒的に多いという結果です。この結果を聞いて、あなたは安心するでしょうか? それとも、チャンスと捉えるでしょうか?
このような違いが現れる要因の1つに、自ら学ぶことが習慣化されているかどうかがあるでしょう。学んでいたのか(内発)、それとも学ばされていたのか(外発)、これまでの経験や習慣が、社会人になって顕在化したと言えるかもしれません。自分はどうなりたいのか、そうなるための自分の課題は何か、課題克服のために学びたいことは何か――それを明確にすることが内的動機づけとなって、主体的な学びにつながるのだと思います。
社会人に求められているリカレント教育は、「豊かな人生を送る」を理念とする生涯学習とは異なり、「仕事・キャリアに活かすこと」と定義されています。学ぶことの範囲は広く、また、今は学び方も多様です。ここで、選択肢の1つとして、当社の公開講座を課題と動機例からご紹介します。
課題1. 職場に苦手な人がいて、ベストパフォーマンスが発揮できない
- 動機:対人対応の幅を広げ、多様な職場で活躍したい
課題2. 仕事にやりがいが見つけられず、モチベーションが下がっている
- 動機:レジリエンスを強化して、自ら「復活」できるようになりたい
課題3. 「ロジカルシンキング」だけでは会社の期待する役割を果たせない
- 動機:論理的思考法に、プラスワンの思考を身に付けたい
課題4. つい強く言いすぎる、または妥協や我慢をしてしまう
- 動機:率直に伝え、謙虚に聞くことで、人を動かせるリーダーになりたい
研修を受講することのみが学びではありませんが、研修を受講することで、知識やスキルが向上するとともに、学んでいるという自信が自己肯定感にもつながります。さらに、新たなインプットによって、次の課題や興味関心の発見になり、それが学びの連鎖、すなわち学びの習慣化になるかもしれません。
課題が最近の自分に当てはまる方や、新たなことにチャレンジしたい方など、ぜひご参加ください。学び始めのきっかけになれば幸いです。