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人材開発に求められる組織力最大化のためのデータ活用

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私的ラーニング・フォーラム2015からの学び

当社では、1989年の会社発足時より、年1回の学びのイベントとして、毎年10月に「ラーニング・フォーラム」というイベントを開催しています。参加者の皆さまと共に、私たち自身も学びたいと感じるトピックスを学ぶ場として、評価をいただいております。

今年のラーニング・フォーラムを、2015年10月16日(金)に実施し、100名を超える方にご参加いただきました。誠にありがとうございます。今回のコラムでは、ラーニング・フォーラム2015で私が感じた学びのポイントを、ゲストスピーカーの講演に焦点を絞りお伝えしたいと思います。

ラーニング・フォーラム 2015

テーマ:真価が問われる、組織力最大化のためのデータ活用 ~ビジネスとスポーツ最前線からの報告~

(要旨は、由来沿革ページに掲載)

人材開発のためのデータ活用

ラーニング・フォーラムでは、テーマに合ったゲストスピーカーに講演をお願いしております。今年はNHKサッカー解説者であり、監督やコーチとしての経験豊富な山本昌邦氏と、データ活用という切り口で、データスタジアム株式会社の斉藤浩司氏にご登壇いただきました。

ポイント1. データを活かす伝え方

内容の詳細は要旨に譲りますが、山本昌邦氏の講演で特に印象だったのは、客観的なデータを使って、いかに選手一人ひとりのモチベーションを上げるかです。データをどのように本人に伝えるのか、その伝え方一つで、選手の動きが変わります。

ビジネスに置き換えて問いかけると、私たちは日頃、客観的な数字をもとにして、自分の部下やメンバーのモチベーションを上げるような伝え方をしているか? となるでしょう。単に数字を突きつけるだけではなく、それをもとに、より成果があがる接し方を、意図的にできているでしょうか。

ポイント2. 「時間がない」を言い訳にしない

ポイント1の問いに対して、「なかなか多忙なので、そこまで丁寧にマネジメントができない」という声を研修でもよくうかがいます。これについても、講話の中に考えさせられる話がありました。

サッカーの監督は、ハーフタイムの15分で全体を観察し、組織に必要な行動を伝え、個人に指示を伝えるそうです。15分間で、試合後半の選手の動きを改善し、モチベーションを上げるために選手と接する。実際に後半の動きが改善された例などもお話しいただきました。

ビジネスでのマネジメントでも同じことができるのではないでしょうか。業務が多忙であっても、サッカーの監督のように、15分で力を発揮する――多忙を言い訳に、マネジメントを実行することを避けてはいないか、あらためて見直す必要があるかもしれません。

ポイント3. 人が介在する重要性

客観的なデータを集める技術は向上し続け、人材開発分野でも、個人のスキルや知識、組織の状況についてのサーベイなどが数多く存在し、また関心が高まっています。しかし、データが存在しても、それを効果的に活かすことができているかと問われたときに、自信を持って返答できる企業はまだ多くはないと感じます。

今回の講演から、客観的なデータを成果につなげるためには、そのデータを読み取り、意味するところをしっかり伝える「変換装置」としての「人」が重要だと、強く感じました。

ビジネスの現場では、データを扱う人事やマネジメント層のデータ分析力、そして部下やメンバーへの伝達力が重要視されてくるでしょう。今後、こういったご要望にも応えながら、私自身コンサルタント活動を続けていきたいと思います。

林 健太郎

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