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「がんばっているのにうまくいかない」とは - 無意識の個性と自己認識

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“みんなちがって、みんないい“のために

がんばっているのにうまくいかない?

この歌詞を見て、どのような感想が浮かぶでしょうか。

例えば芸能人やらスポーツ選手やらが
特別あからさまなだけで
必死じゃない大人なんていないのさ

竹原ピストル『よー、そこの若いの』、2015

歌詞のとおり、誰しも必死に、懸命に生きています。みんながんばっている。しかし、同時にこのようなことを感じるのではないでしょうか。「それなのに、なぜうまくいかないのだろうか?」

多くの場合、期待した評価や反応を他者から得られず、うまくいかないと感じる理由は、人間がそれぞれ個性を持った存在だから、と言えます。人はそれぞれ1人きりで、同じ人間は存在しません。すなわち、自分とまったく同じ解釈をする人は、自分の他にいないということです。

前述の「がんばっている」にしても、その解釈は人それぞれです。30分集中して取り組んだことをすごくがんばったと感じる人もいれば、日々の睡眠時間を削って打ち込むほどの状態でようやくがんばったと認識する人もいます。

それぞれの人に個性があり、思考や感情が異なることは理解しているでしょう。しかし、見て把握できるものでもありませんし、違いを感じ取るのが難しい場合もあります。人はつい、自分に見える世界や自分だけの思考が「当たり前」「普通」「一般的」「スタンダード」「常識」だと無意識的に思い、自分の基準で考えます。だからこそ、みんながんばっているはずなのに、周囲とかみ合わず、うまくいかないことが出てきます。

自分の「当たり前」とみんなの「当たり前」

「自分が当たり前だと思っていることは、本当に『当たり前』だろうか?」と自問することはめったにないかもしれません。ときには考えることができても、常に気を配るのは難しいもので、たいていの場合は自分の「当たり前」をベースに他者と相対し、相手に自分の「当たり前」を強要してしまっていることもあるでしょう。

あるいは有名な詩ですが、こんな言葉もあります。

みんなちがって、みんないい。

金子みすゞ『わたしと小鳥とすずと』

至言です。しかし、日常生活で、人と違うことが本当に「いい」と感じているでしょうか。実は邪魔なもの、大変なものと感じてはいないでしょうか。

他者との関わりに大事なことは、まずは自分の当たり前である「特性」がどのようなものかを認識すること、そして他者の特性との違いを認識することです。特性を押しつけることなく、また押しつけられることもなく、ただ観察をしましょう。まず、人は誰しも異なる存在であるという認識に立つことが、その観察を後押しします。

自分とは異なるすべての人とどのように関わるべきか、手助けの1つはコーチングやカウンセリングなどといった機会です。その道のプロとの対話から自分の特性に気づいていきますが、コストも時間もかかります。

もう1つは、診断ツールの活用です。例えば、ラーニング・マスターズで提供する診断ツール「対話力診断レポート」では、アンケート形式の設問に回答するだけで、個人のパーソナリティ(性格、特性)に基づく言動傾向や、強みとリスクが分析され、フィードバックを受けられます。自分自身の特性に気づき、他者との違いを理解することで、他者とうまく関わる方法を知る入り口になるはずです。

林 健太郎

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