実践してわかったGTDのポイント
目標を目指して進むためには?
2014年も、早くも3月に入りました。4月からの新年度に向けて、資格取得やTOEICスコアアップなど、新しい目標を立てようと考えている方も多いと思います。私もその1人です。しかし、忙しい毎日を過ごす中で、当初の目標がなおざりになってしまうこともよくあります。私もまた、その1人です。さあ、どうしましょう…。
このような課題をお持ちの方におすすめしたいのが、当社が新たに導入する教育研修プログラム「GTD® Getting Things Done® ストレスフリーの仕事術」です。プログラムの概要は、前回のコラムでも説明しました。そのGTD実践の大まかな流れは、以下になります。
- 頭の中の「気になること」をすべて外に出す
- 「気になること」とは何か、そしてその目標を明確化する
- 目標に近づくための行動を具体化、および行動しやすいように整理する
- 日々行動する
- 定期的に1~4を見直す
今回は、私自身がGTDを実践する中で「なるほど」と感じたポイントを3つご紹介します。
GTD 3つのポイント
1. 気になることをすべて頭の外に出す
GTDは、「気になることをすべて書き出してしまえば、“気になることを気にしておくこと”に頭を使わなくてよい」という考え方です。余計なことばかり考えてしまう脳の負担を、できるかぎり減らすことで、やるべきことに集中できます。
こういった「思考のクセ」という点では、当社で提供する教育研修プログラム「思考の品質を上げるための思考スキル向上(Six Thinking Hats®)」の考え方に通じるところがあります。
「気になること」は、いつ、いかなるタイミングで頭に浮かんでくるか分かりません。どれだけまめに書き出せるかが、GTDを成功させるポイントの1つです。
2. 行動を明確化するのは、すべての「気になること」ではない
1で頭の外に出した「気になること」は、今すぐ行動するものばかりではないでしょう。GTDの実践的なところは、それを必要な時期まで「先延ばし」できることです。
GTDを使うことで、優先順位に合わせた行動を選択し、同時に今すぐに行動はしない事柄を「忘れて」おくことができます。
3. 行動はシチュエーションごとに整理する
GTDでは、次にとるべき行動を「会社」「外」「自宅」などのシチュエーションで分けることを推奨しています。シチュエーションで分けると、手の空いたときや、今の状況から何ができるかを考えたいときに、行動までのスピードを大幅に短縮することができます。
例えば「思ったよりも早く資料が作成できた。会議までの残り時間をどうしよう?」といった状況で、「何をしよう」と考えるのではなく、その時間も「行動」の時間に充てましょう、ということです。これは目から鱗の発想でした。
ボトムアップの目標達成
目標達成の考え方として、ありたい姿から逆算してやるべきことを具体化する、いわば「トップダウン」のアプローチがあります。大事な考え方ですが、しかしながら、立てた計画と自分が置かれた状況との調整がうまくできず、結局やるべきことを実践できなかった経験も、きっと皆さんお持ちだと思います。
GTDは、目の前のやるべきことをしっかり捉えながら、先に目線を向ける、「ボトムアップ」の技術です。足下が固まっていないと、先のことも考えにくいですから、非常に現実的な考え方と言えるでしょう。
目標達成に近道はありません。これは多くの仕事術でも言われることです。そして、大切なのは、道から外れないよう気をつけて進むこと――GTDの実践で、「道から外れない自分」を作っていただきたいと思います。