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学生から社会人への意識改革

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学生から「社会人」となるために必要な認識とは

新入社員の姿勢に見る変化

4月から多くの企業では新年度が始まり、新入社員を迎えていることと思います。私も例年通り、すでにいくつか新入社員研修を担当しました。毎年毎年で、新入社員の姿勢がそう大きく変わることはないだろうと思っていましたが、若干の違いはあるように感じます。

私見ですが、一番大きな要因は、経済などの外部環境でしょう。就職活動や報道その他を通し、世の状況を、学生なりに察しています。今年は就職できて良かったという安堵感と、自分自身が成長していかなければいけないという思いを強く持っていると見受けました。

「学生気分」とは何か

受け入れる側である企業の担当者からは、「いつまでも学生気分が抜けない」「何でも聞いてくる」「ミスをして、申し訳ないとは思うようだが、事の重大さを認識していない」といった声も耳にします。では、どういったことを「学生気分」「甘い」と感じるのでしょう。

研修の合間に、社会人として楽しみにしていることを新入社員に聞いたところ、「お金がもらえる、給料が入る」「自分が成長できる」「いろいろな人と出会える、友達が増える」という意見が出ました。

この意見そのものが、「学生気分」なのだと気づきました。つまり、話が自動的で、自分中心と言えます。もちろん私自身も、新入社員の時は同じようなことを言っていたでしょう。「この意見を会社の方が聞いたら、どう思いますかね」と、次のように伝えました。

「給料は自動的に入るものではなく、労働の対価であること」「自己成長は、属する組織へのメリットが伴っていること」「助け、支えてくれる人脈形成は絶対に必要。ただし、企業は社会貢献のための営利集団であって、友達をつくる場ではないこと。ときには、お互いを高めるために良いぶつかり合いも必要で、その中で人間関係は結果に表れる」

社会人としての立ち位置を考える

人と会社の関係を絵に描いたとき、入社したばかりの新入社員は、片方の足と体だけが会社の中にある状態でしょう。すでに、ある組織の人である自分を、一部しか認識できていないのです。当たり前と言えば当たり前で、その環境を認識するには、誰しも多少の時間が必要です。しかし、この時間を短くする、早く認識してもらう刺激はできそうです。

社会人としての自分の立ち位置を考えたうえで、先程の社会人に対する期待を言い換えると、「業務を行い、期待に応えた結果として、給料がもらえる」「仕事を通して自分が学び、成長できる」「仕事を通してさまざまな人と出会い、良い刺激を受ける人脈が作れる。その中で人間関係が深まると良い」と言えるかもしれません。

問題は、組織に属していながらいつまで経っても自分の軸が発展しない、変わらない人がいることです。自分の軸を変えるのはきっかけと、本人の意識や覚悟が必要です。これは、新入社員に限った話ではありません。

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