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子どもを通して部下の育成を考える

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忙しさを理由にしない部下育成のためにできることは

親が知らない子どもの外と内

普段、子どもと一緒に歩くために時間を割くことはありません。得意げに案内をしながら、関係ないことまで話してくれる説明を聞いて、私は2つのことを考えていました。

1つめは、「私の方が、この地に長く住んでいる。でも、『目的地』しか知らない。少しでも早く往復しなきゃ、と保育園まっしぐら。買い物はこのスーパーマーケット、ここへ行くのはこのルートが一番効率的…」という具合です。

2つめは、子どもにきちんと向き合えていないということ。「いくら忙しいとはいえ、自分が仕事をうまく進めるために、怒ってコントロールしてばかりいる。子どもはいつの間にか、道も工場も店も人もたくさん知っている。家では返事もしないけれど、案外きちんと挨拶しているじゃない。これも身につけている…」

先日、宇宙飛行士である山崎直子さんの、ドキュメンタリー番組を見ました。山崎さんと娘さんとのテレビ電話の場面で、楽しく話していたのに、不意に通信がとぎれて見えなくなったときに、「さびしい~…」と娘さんが大粒の涙を見せました。自分の子どもがときどき見せる顔と同じで、心を打たれました。カメラの前で楽しく話している姿と、不意打ちに現れてしまった姿。外と内。外見と内面。

重なる課題の解決を目指して

お客さまから、部下育成についてのさまざまな課題をお聞きします。「自分もプレーヤーを求められているので、部下の面倒が見られない」「育てなきゃいけないのはわかる。でも、今期の業績回復、利益確保が優先になってしまう」など。

企業の人材育成課題と、自分の子どものことを並べるのは、ちょっと違うかもしれませんが、私にはどうしても、自分のコンフリクトと重なってしまいます。「もう少し子どもに時間を割きたいのに、つい仕事を優先してしまう」「子どもの、さびしいサインやいじけている様子が目に入っても、振り返っていない」など。

そうすると、企業の人材育成に関する問題解決のお手伝いをする立場ながら、自分もできていないし、見ていない。相手(子ども)のプロセス、成長、成果を、今ごろ知ったのね、などと思います。

とらえ方を変えれば、自分のコンフリクトを解決できれば、皆さんの参考になるかもしれないということです。それを理由に、ゴールデンウィークに少し子どもとの接し方を見直そうかと思っています。

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