オンライン企業研修の課題を考える 第7回
当社がオンライン研修を実施した試行錯誤とノウハウを紹介するシリーズ「オンライン企業研修の課題を考える」の第7回は、「今後に向けての注意点、または期待すること」の後半です。講師・運営側の視点から期待すること、また受講者側の心構えと期待をお伝えします。引き続き、当社講師陣から寄せられた情報を、できるだけそのままお伝えしていきます。
シリーズ「オンライン企業研修の課題を考える」
- オンライン研修を実施して感じる課題
- グループワークをするうえで注意する点
- 今後に向けての注意点、または期待すること
- 講師に必要な「心構え」としての注意点(第6回)
- 講師として、また受講者としての今後の期待と展望(第7回)
3. 今後に向けての注意点、または期待すること
(「講師・運営側」として)
当社講師陣から寄せられた情報
今後求められること
- 受講人数が多かったり、高いレベルでスムーズな進行を求められたりする場合、講師1人での実施は難しい。オペレーションサポートが必要であり、よりスムーズな進行を求めるなら、サポートを複数名アサインするのが当たり前にできると良い。
- 企業によっては「チャットは使用不可」といった規制が存在するが、チャット使用の効果を伝えるなど、企業や事務局とすり合わせをし、効果が高い研修を実施できるようにすることも必要。
- 手元に紙の教材があることが望ましいが、データの教材でも、メモを入力できるなど使いやすい状態を準備できると良い。
- オンラインツールの情報を常にアップデートしていく。多く使われているZoom以外も利用したり、新しいものを試したり、積極的な情報収集をする。
- オンライン研修の「マイナス」を補うフェーズから、オンラインならではの付加価値を乗せるフェーズに入っているが、なかなか切り替わっていないのが現状。より一層の向上が必要。
展望、期待すること
- 交通費や宿泊費、また会場費がかからない場合もあるので、今後もオンライン研修は定着すると考える。研修目的によって集合型とオンライン研修の使い分けができるようになることが望ましい。
- 今後は集合型と同じ研修を実施するだけではなく、オンライン前提のコースデザインや、オンラインに適した短時間コースを開発したい。ワークのイメージを動画で説明する、Zoomの投票機能を活用するなど、オンラインだからこそ必要なこと、オンラインならではの機能もあるので、設計段階から取り込みたい。
- 集合型で効果が高いゲームでも、オンラインで実施できないものがある。オンラインで体験できるゲームを見つけるのか、開発するのか、オンラインで実施できるゲームを増やすことで、さらにオンラインの可能性が高まる。
「受講者側」から見る今後に向けての注意点、または期待すること
(「受講者側」として)
当社講師陣から寄せられた情報
受講の際の注意点
- オンライン研修は接続環境が重要。実際に受講する環境での接続テストを事前に必ず行う。できれば、機器や通信環境の向上も考えたい。
- 研修教材は印刷しておくのかなど、受講の準備を事前に確認する。
- 研修に接続して、カメラをオン、マイクをミュートにした状態が集合型で言う着席と考えて、時間までに研修に参加する。
受講者視点の期待、心構え
- Zoomの使用許可が必要な企業もあるが、研修に限り自由といった措置があると良い。
- 機器や通信環境、会社の中でも研修受講に適したエリアの整備など、環境の向上を期待したい。
- オンライン環境に合わせた教材の充実。
- 受講開始まですべて受講者のみで準備を行う場合、事前に送付される案内と教材で、必要な情報がすべて把握できると良い。
- 集合研修とは違って実際の環境が用意されない分、より明確な目的意識をもって参加する必要がある。
集合型からオンライン研修への環境の変化は、教材や進行など、講師や運営側、企業のアップデートが期待される部分と、研修への参加目的といったこれまでと変わらない、またはより明確に求められる部分があります。
「オンライン企業研修の課題を考える」として2021年春から7回にわたりお伝えしてきました。この半年ほどでも、過去のことになったと感じる内容もあるかと思います。しかし、この先オンライン研修が主流になるのか、集合型メインに戻るのか、社会の安定までには時間を要するでしょう。今回のシリーズが、講師・運営としても、また受講者としても、より効果の高いオンライン研修実施の参考となれば幸いです。
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