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人材育成からみた家庭用ゲームの価値

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突然ですが、皆さんは家庭用ゲーム機で遊んだ経験はありますか?

私の場合、小学校入学のタイミングで任天堂の「ファミコン」がわが家にやってきて、それを皮切りに「スーパーファミコン」「プレイステーション」「プレイステーションⅡ」「プレイステーションポータブル」といった順に、ゲーム機のハードの進化と共に成長してきた世代と言えると思います。

最近はゲームで遊ぶことも少なくなりましたが、子どものころは、「ゲームは1日30分、9時まで!」と親から家庭内ルールで規制されるくらい、ずいぶんと熱中していました。ルールがなければ、時間の許すかぎりゲームに没頭していたのではないかと思われます。(いまさらながら、ストップをかけてくれた親に感謝。)

当時は、戦略シミュレーションやRPGといった分野に、特にのめり込んでいました。そんな私が熱中していたゲームについて、教育や研修の視点で振り返ると、そこには人材育成や人材開発とのつながり、共通性のようなものが見えてきます。ここではその一例を挙げておきたいと思います。

ゲームでは一般にゴール、目的、目標などの設定があり、それを達成して次のステージや次の展開へ進む、ということをくり返していきます。このゲームの流れには松尾睦先生が著書「『経験学習』入門」(※)の中で提示している「経験から学ぶ力の3要素」が、サイクルとしてうまく機能しているようにみえます。

1つめはストレッチ(挑戦する力)です。難しすぎても簡単すぎても効果は期待できず、ちょうどよい目標設定が成長には求められます。過去を振り返ると、適度な難易度のゲームに熱中していたように思います。出だしから極端に難しすぎるゲームは、わけが分からない「クソゲー」というレッテルを貼られて、そっぽをむかれていました。私たちはもう大人なので、仕事に対してはそっぽをむかずに取り組みますが、気持ちとしては、子どもの時とそう変わらないものを抱いているかもしれません。

2つめはリフレクション(振り返る力)です。やったことをしっかり振り返ることが、経験を成長につなげます。同じゲームもくり返していくと、だんだんとうまくなってきて、コツがつかめてきます。なぜそのゲームをクリアできたのか? 学校で話題になったときに、ゲームをクリアできた子は一生懸命にそのことを言葉で説明して、伝えようとしていました。振り返りというと、よく「反省」に近いイメージを持たれてしまうことがあります。子どもがしているように、嬉々として楽しく行うことも大事な要素ではないでしょうか。

3つめはエンジョイメント(楽しむ力)です。できるかできないかといったものに挑戦をしていくのは、楽しいものです。あまりにそのゲームが難しくて、クリアできないとあきらめてしまうのですが、そこで友達と一緒だったりすると、いつまでも楽しんで挑戦していたように思います。大人になってからも周囲のサポートは、仕事でも大事な要素です。

人材育成で言われている原理原則は、決して人材育成の中だけのものではなく、人間の活動のいろいろな部分に見え隠れしているように思います。理論と言われると難しそうな印象ですが、こういった見方をすると「お勉強」よりも、ぐっと身近に感じられるのではないでしょうか。

※参考文献:松尾睦(2011)「経営学習」入門,ダイヤモンド社

林 健太郎

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